2019.04.09
# 韓国経済

韓国がいま「外国人労働者」の受け入れでトラブル続出しているワケ

移民政策は本気度が問われている
金 明中 プロフィール

「外国人労働者に仕事が奪われる」

一方、統計庁の「外国人雇用調査」を用いて、就業者を国籍別にみると、韓国系中国人が44.1万人(45.8%)で最も多く、次いでベトナム人7.2万人(7.5%)、韓国系以外の中国人6.4万人(6.7%)、北米人4.5万人(4.7%)の順であった。在留資格別には、一般雇用許可制の非専門就業が26.1万人、特例雇用許可制の訪問就業が22.1万人、在外同胞が19.9万人、永住が8.8万人、結婚移民が6.2万人、専門人材が4.6万人、留学生が1.3万人となっている。

産業別には、製造業(43.6万人)、 卸小売・宿泊・飲食店業(19.0万人)、事業・個 人・公共サービス(18.7万人)、建設業(8.5 万人)が上位4位を占めている。職種別には、技能員・機械操作及び組立従事者が39.5万人(39.0%)で最も多く、次いで単純労務従事者30.5万人(31.7%)、サービス・販売従事者12.1万人(12.6%)、管理者・専門家及び関連従事者10.4万人(10.8%)の順になっている。

 

このように韓国では外国人労働者が、国民生活の隅々まで入り込んでいて、すでに彼らなくして韓国経済は成り立たなくなっている。一方でかつて国内の雇用を支えてきた製造業などに多くの外国人労働者が雇用され、韓国人の低熟練労働者の雇用や賃金に負の影響をあたえている可能性も排除できないのである。

〔photo〕gettyimages

これだけ増大する外国人労働者を管理するのが「雇用許可制」であるが、トラブルの絶えないこの制度への国内の評価は二分されている。

労働力の確保に成果があったという経営側の評価がある一方で、労働界では「反人権的奴隷契約」と辛らつに批判している。労働界が最大の問題点として指摘しているのが「事業場変更の制限」である。

外国国籍の同胞(韓国人)に対する特例雇用許可制(訪問就業制)は職場の移動に制限がないものの、非専門就業ビザを受けて韓国に入ってきた一般雇用許可制による外国人労働者は職場の移動が3年以内に最大3回(延長した場合4年10ヶ月間に最大5回)に制限されている。

さらに、職場の移動は使用者の承認がある時と事業場の倒産や賃金未払いがある時など、極めて例外的な場合に制限されているため、労働界はこのような移動制限は外国人労働者の強制労働に繋がる恐れが高いと主張し、移動制限の廃止を要求している。

また韓国人と外国人労働者との間で、トラブルが絶えない背景には国内の雇用情勢がなかなか改善されないことも要因として上げられる。

国内には「外国人労働者に仕事を奪われる」、「外国人労働者が増加すると単純労働の賃金が下がる」など今後の雇用や賃金削減を懸念する声は、いまも根強く残っているのだ。

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