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# 韓国経済

韓国がいま「外国人労働者」の受け入れでトラブル続出しているワケ

移民政策は本気度が問われている

賃金滞納、暴行、犯罪…

4月から日本では改正入管法が施行され、外国人労働者に注目が集まっている。そうした中、日本に先んじて外国人労働者に門戸を開いてきた韓国で起きていることに注目が集まっている。じつは韓国では外国人労働者の増加にともない、これまでにないトラブルが続出しており、新たな社会問題となっているのである。

 

もともと韓国では「外国人産業技術研修生制度」という日本と同様の「技能実習制度」がとられていたが、15年前に廃止している。代わって2004年8月に「外国人産業技術研修生制度」に外国人労働者が合法的に雇用される「雇用許可制」を導入した。じつに日本に先駆けること15年、韓国は外国人労働者に門戸を開いてきたわけだ。

雇用許可制の導入により若者から敬遠されている3K業種などに外国人労働力が供給され、労働力不足の問題が多少は解消された。しかし、外国労働者との共生にはまだまだ多くの問題が山積している。日本における改正入管法の施行は、実質的に韓国同様、外国人労働者に門戸を開くことが狙いであるが、その具体的な体制の整備はこれからだ。韓国の先行事例から日本が直面しかねない課題について見ていこう。

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まず外国人労働者の受け入れ体制が整備された韓国では、依然として外国人労働者の生活環境は厳しいものがある。

たとえば、外国人労働者が犯罪に巻き込まれるケースは少なくない。2018年7月に慶尚南道の移住民センターが外国人労働者を対象とした人権侵害の事例を公表したが、2017年から慶尚南道のある農家で働いていたカンボジア出身の女性労働者は農家の雇い主に体の特定の部分を触られたなど10回を越える性的暴行を受けたという。

給料が払われないケースもある。慶尚北道の高霊郡で金属加工工場を運営する経営者は、2018年10月に外国人労働者10人に対して約6000万ウォンの賃金を払わなかった容疑で拘束された。捜査の結果、この経営者は立場が弱い外国人不法滞在者のみを雇い、意図的に賃金を滞納したことが明らかになった。

マスコミ出身の記者などにより運営されているオンライン新聞、『労働日報』によると、2016年における外国人労働者に対する給料未払い額は678億ウォンで2012年の240億ウォンに比べて3倍も増加している 。さらに、滞納された給料の支払を要求したり、職場の移動を要求した外国人労働者が、暴行を受けるケースもあった。