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Airbnb(エアビー)が「芸大と手を組む」のには深いワケがある

じつはメルカリもシャープも!
長田 英知 プロフィール

「デザイン」が豊かにするもの

この講座を通じて個人的には2つのことを実現したいと考えています。

一つは日本のホームシェアを広げるためのビジネスデザインです。クロステックデザインコースの大きな目的の一つは在学中に製品・サービスを社会に実装させるということにあります。

ホームシェアとホームシェアを取り巻くビジネス環境は未だ黎明期にあります。学生の皆さんには Airbnbのビジネスモデルやホームシェアを日本で展開する上での課題を理解し、より多くの方々が参画できるようにするためのビジネスデザインを柔軟な発想で提案していただきたいと考えています。さらには京都造形芸術大学と関係の深い企業や、Airbnbのパートナー企業と連携して実用化まで持っていくことができれば素晴らしいなあと思い描いています。

〔photo〕gettyimages

もう一つの方向性は、ホームシェアを可能にするための社会デザインです。ホームシェアが社会に根付いていくためには、旅行者と地域コミュニティのサステナブルな交流や真の地域活性化につながる「健全なツーリズム」の発展が必要不可欠となります。Airbnbでは観光健全化部門を設置し、健全なツーリズム実現のための取り組みを現在も進めています。

例えば、2018年9月にAirbnbは南アフリカのケープタウン大学ビジネススクールと連携し、「アフリカトラベルサミット」を開催しました。3 日間に亘って行われるこのサミットには、アフリカ全土から最も革新的な考え方を持つ人たちが集結し、テクノロジーをどのように活用すればより持続可能ですべての人々に平等な観光産業を形成して、サービスが行き届かないアフリカの地域社会に力を与えることができるのかに ついて話し合いを行いました。

 

また、今年1月にはイタリアのNGOと協力し、目まぐるしい日常から逃れて、美しい村グロットレでゆっくりリセットできる、一生に一度の夢の「イタリア、サバティカル休暇の旅」キャンペーンを発表しました。グロットレは、風光明媚な村ですが、過疎化が著しく、住民わずか300人に対し、空き家は600軒以上もあり、存亡の危機にさらされています。

そこで村に新しい息吹を呼ぼうということで、廃屋を再生する NGOである「Wonder Grottole」(ワンダー・グロットレ)が主催する プロジェクトをAirbnbが後援、体験と宿泊のボランティアホスト4名を募集しました。当選者は、滞在中、村人になりきって、イタリア語を学び、市民農園の畑仕事に精を出しながら、自分で栽培した採れたての 野菜を使った、美味しいイタリア料理を作るコツを習得します。

京都造形芸術大学との寄附講座においても、高齢化・少子化や地方創生など日本が抱える社会課題にホームシェアという視点で光を当てるとともに、オーバーツーリズム 等の課題を抱える京都市における今後の取り組みの可能性について幅広いディスカッションを行うことができればと思っています。