米国が対中情報戦争の勝者となったとき、GAFAは解体される可能性

戦略的に見逃された独占巨大企業
大原 浩 プロフィール

バフェットはなぜITでいつも失敗するのか

GAFAの中に、アップルという現在、バフェット(正確には彼が率いるバークシャー・ハサウェイ)の主要な投資先があるので、そのことに触れたい。

バフェットが、2000年頃までのITバブルの中でも、頑としてIT企業に投資せずに、メディアから「時代遅れのポンコツ」扱いされていたことは有名だ。もちろん、2000年頃のITバブル崩壊で、バフェットの正しさが証明されたわけだが……。

そのバフェットがインテルやIBMに投資を始めたのは2011年のことである。これまで述べてきたように「ITが最先端のテクノロジーでは無く、生活に不可欠なインフラになってきた」と判断したことが原因だと思われる。事実、生活必需品やインフラを扱う企業への投資では、バフェットは大成功しており得意分野とも言える。

ところが、翌年の2012年にはインテルの株を売却してしまった。投資を始めるときに、「パソコンからスマホへ」の流れを読み切れなかったのではないだろうか?

 

IBMへの投資も結局失敗に終わり2017年には保有株のほとんどを売却している。IBMの投資に至るまでバフェットは半世紀以上もウォッチしていたが、「今のIBMはかつてのIBMでは無い」ようである。

筆者は、一時経営危機に陥ったIBMが「ガースナー改革」で息を吹き返したものの、かつての愛社精神にあふれる企業では無く、並みの企業になってしまったからではないかと考えている。

その他、英国の大手スーパー・テスコやウォルマートの投資も「Eコマースへの対応」で苦戦し、テスコのケースでは敗北宣言を行って撤退している。

バフェットにとってIT関連の投資は「鬼門」とも言えるにもかかわらず、アップルに大きく投資している。

彼によれば「アップルのブランド力が素晴らしい」からだそうだ。確かにその通りだが、アップルのブランドは、バフェットが得意とするコカ・コーラやジレットのような「永久不滅」のブランドでは無く、ソニーのように「革新を続けなければ崩壊してしまう」ブランドなのだ。

多くの日本人は2003年4月の「ソニーショック」という言葉を覚えているだろう。かつて、あれほど強力であったソニーブランドでも、革新を継続できなければ大惨事を引き起こす。

アップルもここのところ革新的な製品を生み出していない。「アップル・ショック」がやってくるのはそれほど遠い先のことでは無いと考えられるし、GAFAの他企業への評価も大きく変わるであろう。