米国が対中情報戦争の勝者となったとき、GAFAは解体される可能性

戦略的に見逃された独占巨大企業
大原 浩 プロフィール

個人情報は我々のものである

「個人情報保護」という考え方は、欧州で誕生した。EU内で最も早く法整備が行われ、EUからの強い要請によって、日本でも個人情報保護法が制定された。個人情報保護法を整備しないと、対EU取引で支障が生じる恐れがあったからである。

したがって、現在、EUがGAFAなどのIT企業の個人情報保護に厳しい態度をとるのも当然といえよう。それに対して、米国は企業の事業活動の自由に重点を置き、個人情報の保護にはそれほど積極的では無い。日本は米国と欧州の間ぐらいに位置する。

しかし、欧州の個人情報保護に対する厳しい態度は当然なのである。

9.11以降の米国で、テロ対策として一般市民を対象にした盗聴などをはじめとした情報収集を頻繁に行っている。確かに、テロ対策としての必要性はあるのだろうが、一般市民のプライバシーや思想・信条の自由を侵すことがあってはならない。もちろん、ネット上の個人の利用履歴なども政府が恣意的にのぞき見することは許されない。

もし、政府が個人の権利を侵害するのであれば、国民は選挙における投票をはじめとする政治的行動でこれに異議を唱えるはずだ。

ところが、国家でさえ個人情報を犯すことは厳しく戒められているのに、私企業であるGAFAをはじめとするIT企業の個人情報利用にはいまだ明確な基準や規制が無い。

 

確かに日本でも個人情報保護法は存在するが、この法律がネット上の個人情報の取り扱いに関して有効に機能しているとは思えない。

さらには、情報のインフラという役割を飛び越えて「恣意的に特定情報を拡散」あるいは「特定情報を削除」していると取られるような行為も頻繁に見受けられる。

新聞・テレビ・雑誌などのオールドメディアでも同様の問題が存在し、厳しい批判にさらされているが、GAFAなどのIT企業は、NTTをはじめとする電話会社のような公共インフラの側面(特に独占によって)も持っている。

例えば、電話会社が通話の内容を収集分析したり、特定の内容の通話をかかりやすくしたり、逆にかかりにくくすることは許されるべきでは無い。これはネット上の通信においても同じなのだ。