米国が対中情報戦争の勝者となったとき、GAFAは解体される可能性

戦略的に見逃された独占巨大企業
大原 浩 プロフィール

GAFAに反トラスト法が適用されるとき

米国の独占禁止法(反トラスト法)は、1)シャーマン法(1890年制定)、2)クレイトン法(1914年制定)、3)連邦取引委員会法(1914年制定)、の3つの法律およびその修正法から成り立っているが、その成立の過程からも分かるように、紆余曲折しており、歴史的・具体的適用基準もかなり振幅が大きいものであったといえる。

もっとも有名なのは、1911年に連邦最高裁から解体命令が出され、34の新会社に分割されたスタンダード・オイルの案件であろう。

当時、ビル・ゲイツやジェフ・ベゾスのような米国を代表する企業家であったジョン・ロックフェラーが創業したスタンダード・オイルは、石油精製市場の90%を支配していた。現在で言えば、パソコンのOSをマイクロソフトが独占したり、グーグルが検索エンジン市場を独占するようなものである。

 

その流れで言えば、少なくともグーグル、マイクロソフトなどには独占禁止法を適用すべきである。

しかし、これまでのところ、米国政府にその動きは無い。これらの企業の競争相手はロックフェラーの時代とは違って、米国内だけに存在するわけでは無いからである。

マイクロソフトやGAFAは、外国との競争における有効な戦略兵器=「巨大独占企業」として温存されてきたのである。

筆者もパソコンのOSはウインドウズだし、検索にはグーグルを使う。米国の「巨大企業温存政策」は世界の情報覇権を握ろうとする戦略であり、実際それは大成功した。

その間隙を縫って共産主義中国などが情報戦争を仕掛けたのだが、世界の情報覇権は実のところ、はるか前に米国が握っている。したがって、貿易戦争だけでは無く、情報(サイバー)戦争でも共産主義中国の負けは確定している。

その情報戦争の間、米国はGAFAをはじめとするIT企業の巨大化・独占にはある程度目をつむるであろうが、対中情報戦争の勝利が確定した段階で、かつてのスタンダード・オイルのような企業分割に着手する可能性がある。