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「人は7年で生まれ変わる説」に妙に惹きつけられた理由

そういえば身に覚えが…

まさに結婚14年目で離婚した評者

人間も社会も7年周期で変化が訪れると人工知能の研究者である黒川伊保子氏は説く。

「ほんとうかなあ」と半信半疑で『ヒトは7年で脱皮する』を読み始めたが、〈ヒトが7年で飽きるということを確かめてみるために、離婚経験者に「離婚したのは、一緒に暮らし始めて何年目?」というアンケートを取ってみた。すると、その結果は、7年目、14年目、21年目という7の倍数の年に、明らかに偏っているのである〉との件を読んだところでギクッとした。

評者が最初の妻と離婚したのが、まさに結婚14年目だったからだ。

7年で結婚の危機が訪れることについて、黒川氏はこう説明する。

〈特に、結婚して7年目は一番危ないときかもしれない。ヒトは、異性の匂い(フェロモン)を感知して、恋に落ちる。フェロモンは、免疫抗体の型の遺伝子と匂い成分が一致しているといわれ、「免疫のようす」を異性に知らせる手段なのである。

 

このとき、動物は、自分と一致しない免疫タイプの相手に発情する。できるだけ違う免疫タイプ同士をかけ合わせて、子孫の免疫バリエーションを増やそうとする生存本能のためだ。だってほら、「暑さ」に強い個体と「寒さ」に強い個体が番えば、地球が温暖化しても寒冷化しても、子孫が残るでしょう?

そんなわけで、愛し合う二人にとっては、相手の体臭が「刺激的な異臭」であり、この刺激で、脳はむらっとしたりいらっとしたりして、恋愛ドラマが展開されていくのだ〉

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この説明には説得力がある。それでは、結婚を長続きさせるにはどうしたらいいのだろうか。

黒川氏は、〈7年目、その刺激が、刺激でなくなる。ここからは、相手の存在が異物ではなくなる。空気のように、自分の一部のようになっていく道のりが始まる。しかし、それは始まったばかりだ。

結婚7年目、この人じゃなかったのかも、と思っても、やりすごしたほうがいいかもしれない。8年目に入ると、脳は新しいターンに入る。きっと、まだやっていけるという希望が見えてくる〉と述べる。

評者も結婚7年目のときに、マンションをローンで買うとか、外務省を辞めて一緒に教会を運営するといった選択をすれば、離婚をせずに済んだのかもしれない。

もっとも結婚には相性もあるので、一緒に暮らしたくないのに無理をしてでも結婚を維持するような仕組みは作らない方がいいと思う。いずれにせよ恋愛感情だけに頼る結婚は基盤が脆弱だ。