NHKの人気番組が教えてくれた「珍名・難読名字」の深~いお話

目さん、鬼さん、悪虫さん…

思わず、「え、なんて読むの?」と聞きたくなる名がこの世には山ほどある。そんな珍しい名字の「知られざる由来」を徹底的に取材するのが、NHKの人気番組。先祖が名字に託したメッセージに迫ろう。

「鬼嫁」にはなりたくない

家に嫁ぐ際には、『鬼嫁』にならないように気を付けなきゃと思いました」

そう笑って話すのは、鬼恒子さん(75歳)。そのまま「おに」と読むが、名字としては珍しいだけあって、名乗る際に困ることが多いという。

「電話で名字を伝える時には、必ずと言っていいほど、『どういう字を書きますか』と聞かれるので、『赤鬼、青鬼の鬼』と伝えます」(鬼さん)

苦労が多そうだが、意外にも、その名字を恨めしく思ったことはない。

「鬼家のご先祖様は非常に強い武将で、朝鮮出兵の時に武勲をたてたそうです。そこで豊臣秀吉から『お前は鬼のように強いから、鬼と名乗れ』と言われた。こういう由来が代々受け継がれているので、むしろ鬼という名字を誇りに思っています。

これも我が家の伝統なのですが、節分の時には『福はうち、鬼もうち、悪魔そと』と言いますね。

よく、怒ると怖いのかと聞かれますが、主人も芯から優しい人で、夫婦喧嘩なんてほとんどしたことがありません」

 

数え方によって諸説あるが、日本には10万~20万種類の名字があるといわれる。世界的にも稀にみる豊富さを誇るだけあって、全国には珍しい名字や難読名字が多い。

そうした名字を取り上げ、徹底的に取材し、由来を明らかにするのが、NHKの人気番組『ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ!』だ。

前出の「鬼さん」のように由来が語り継がれていればいいが、そうしたケースはごく稀だ。チーフ・プロデューサーの亀山暁氏はこう話す。

「難読名字、レア名字の方の多くは、周囲から『なんて読むの』と聞かれたり、不名誉なあだ名をつけられたり、昔からご苦労をされているんです。

けれど由来がわからないと、言い返したり、説明したりすることもできない。だからこそ、由来を知って自分の名字に誇りをもってもらいたい。そういう思いで、番組を制作しています」