晴海・五輪選手村の「巨大タワマン」が我々の不動産にもたらす影響

地価暴落の引き金を引くという見方も
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「五輪直後」に注意

一方、山手線外の住宅地でも、値段が下がらない地域もある。マンション管理士の日下部理絵氏が言う。

「墨田区の錦糸町や足立区の北千住といった下町エリアの人気はしばらく続き、大きな影響はないと考えられます。また、中野付近の中央線エリアも根強い需要に支えられるでしょう」

 

問題は、この「晴海ショック」とも言うべき現象が、いつ起こりうるのかということだ。

オリンピックが終わっても、建築資材や人件費の高騰が続き、ひとまず不動産価格は暴落しないとポジティブに捉える向きもある。

だが晴海フラッグの売れ行きに着目すれば、やはり「五輪直後」が大きなターニングポイントになると考えておいたほうがよい。

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先述のとおり、4年という晴海フラッグの売り出し期間は異例中の異例だ。4000戸超を途切れることなく売り切るのは、11社合同プロジェクトであることを考慮しても簡単なことではない。

「普通のマンションはスタートの第1期が重要で、その半分が即日売れれば好調とみなされます。4年で4000戸を売るとすれば、第1期で少なくとも500戸は売らなければなりません。これでつまずくことがあれば、先行きは怪しくなります。

デベロッパーは五輪が盛り上がっている'20年の夏がピークになるように、販売の差配をすると思います。

ただ、すでに消費増税を終えたあとで、駆け込み需要は期待できません。五輪が終わってから、空室を埋めるために、ズルズルと値下げしつづける事態になれば最悪です」(榊氏)

一見明るいニュースに思えても、不動産大暴落の引き金になりかねない選手村の今後。近いうちに不動産の売買を考えている人は、晴海フラッグの動向から目を離してはいけない。

「週刊現代」2019年3月30日号より