晴海・五輪選手村の「巨大タワマン」が我々の不動産にもたらす影響

地価暴落の引き金を引くという見方も
週刊現代 プロフィール

投資用か、住宅用か

ご存じのとおり、新築マンション市場は徐々に停滞感がにじみ出てきた。'18年、首都圏の新築マンション平均価格は5871万円で、前年度から0.6%ダウンだったことがそれを物語る。

ところが東京23区に絞ると、平均販売価格は7142万円で前年比0.7%増となり、依然として上昇トレンドにある。

都心部と周辺部の「マンション格差」は広がる一方だ。このような状況のなか、中央区アドレスの割安マンションは魅力的に映る。値上がりは間違いない、そう信じる人も少なくないだろう。

そもそも、悲願だった東京での五輪開催、そしてそのレガシーを生かした都市開発は、本来であれば不動産の「上げ潮」ムードの象徴と考えてもいいはずだ。

では晴海フラッグは値上がりするのか。結論から言えば、そう単純ではない。

順を追ってみていこう。

 

まずは立地の難。中央区とはいえ、三方を川と海に囲まれた「陸の孤島」である。最寄り駅となるのは都営大江戸線の勝どき駅だ。新橋駅まで12分、六本木駅まで14分と利便性は高い。

とはいえ、勝どき駅までは歩いて最短でも17分はかかる。駅遠を解消するため、バス高速輸送(BRT)が晴海フラッグと勝どき駅を繋ぐが、予定本数は1時間に6本。朝の通勤ラッシュに対応しきれるとは思えない。

立地上の問題は他にもある。最近のタワマンは十分な免震対策が図られているが、晴海は東京湾に面する埋め立て地だ。災害時はさまざまな弊害に見舞われることは想像に難くない。

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住宅ジャーナリストの榊淳司氏は言う。

「東日本大震災のとき、同じく埋め立て地の千葉県浦安市では一部液状化現象が見られました。晴海や豊洲などの湾岸エリアでも同様の被害が出ることは十分に想定されます。

また、周囲に大規模マンションが非常に多いため、災害時には救援が来るまで時間がかかるでしょう。水と電気が止まったまま、高層階に留まらなければいけなくなる。これらは大きなデメリットです」