Photo by GettyImages

晴海・五輪選手村の「巨大タワマン」が我々の不動産にもたらす影響

地価暴落の引き金を引くという見方も

いま、マンションは「買い時」か「売り時」か。難しい問題だが、4年後に引き渡し予定の「晴海フラッグ」から目を離してはいけない。前代未聞の巨大マンション群が、今後の不動産価格を大きく左右する。

まさに国家プロジェクト

東京オリンピック開催まで、ついに500日を切った。世界のオリンピアンが集う選手村は、東京都中央区晴海5丁目に設けられる。目前に東京湾が広がり、周囲には既存のタワーマンションが立ち並ぶ典型的な湾岸エリアだ。

目下建築中の選手村予定地を歩くと、要塞のように湾岸を取り囲む高層ビル群が目を引く。フェンスや建物の外壁にかけられた防護ネットには、三井、住友、東急……さまざまなデベロッパーのロゴが並ぶ。

晴海5丁目の再開発は、三井不動産レジデンシャルを幹事とする大手デベロッパー11社共同で行われる。まさに「国家プロジェクト」の雰囲気をにおわせる現場だ。

選手村の面積はおよそ13ヘクタール。東京ドーム2.8個分の土地開発に業界全体が足並みを揃えて協力するのにはワケがある。2023年、選手村の跡地を利用した巨大レジデンス「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」が完成するからだ。

晴海フラッグは選手村として使用した宿泊施設を改修し、さらにタワマンを2棟新たに建てて一般用住宅に作り替える。分譲と賃貸あわせて5632戸、1万5000人規模の住宅街が誕生する。

マンションだけでなく、ショッピングモールや小中学校、介護付き有料老人ホームも併設される。750台以上の防犯カメラがネットワークでつながり、セキュリティも万全。さながら近未来のニュータウンだ。

 

そして今年5月、いよいよ分譲4145戸の販売が始まるのだ。引き渡しまで最長4年、改元後最初の巨大都市計画であることは間違いない。

「おそらく引き渡しが4年先というのは過去に例がないでしょう。住友不動産が天王洲で手掛けた約2000戸の『ワールドシティタワーズ』が、販売から3年後の引き渡しでしたが、それ以上の長期プロジェクトははじめて聞きました」(住宅ジャーナリストの山下和之氏)

晴海フラッグが注目されるのは、規模や五輪のプレミアムによるものだけではない。

その「価格」である。公式発表はされていないが、販売価格は1坪あたり270万円前後との見方が強い。周辺エリアのタワマンが300万円前後と言われているから、相場の1~2割ほど安く売られることになる。