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# 人材育成

日本企業が、人材育成を「経費」から「投資」にできない致命的理由

人材競争力が企業成長の源泉になる

日本企業の人材育成は「先進国最低レベル」

「人材育成」と聞いてみなさんはどんな施策をイメージするだろうか?

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おそらく多くの方は、何かしらの「研修」をイメージしたことと思う。

「新人研修」、「リーダー研修」、「管理職研修」、「営業研修」、「コーチング研修」、「チームビルディング研修」など、「〇〇研修」と名の付くものは枚挙にいとまがない。

階層別や目的別に、「均一的な集合研修」が多くの企業で実施されている。いわゆる、Off-JTの領域である。

 

一方で、日本企業のOff-JTに対する社員一人あたりの投資額は、主要先進国では昔から最低レベルである。なぜか?

戦後の混乱期から高度経済成長期に至るまでの企業経営における人事部の役割を振り返ってみたい。

企業は高い経済成長に支えられながら、収益を着実に挙げていくことができたため、人事部の主要ミッションは「誰もが一定の昇給や昇進機会を得られる仕組みを通じた組織全体の集団的管理」が主眼にあったと考えられる。

すなわち、人材をいかに低コストでコントロールしつつ、収益事業をますます大きく育てていくかが主要な経営課題だったということだ。人材育成においては、集団的管理の中で縦序列による指導伝承型のOJTをその中心としてきた。

よって日本企業では、人材育成に必要なOff-JT費用は「経費」として定着してきたと考えられる。人材育成が「経費」から「投資」にならない理由の一つがここにある。