世界経済の先行きに、過度な悲観は禁物だ

案外、好転する可能性アリ

多くの市場参加者が、世界経済の先行きを懸念し始めた。特に、ユーロ圏では先行きを悲観する市場関係者が増えている。中国経済の減速がドイツ経済を直撃し、同国では景気の失速リスクが高まっている。ブレグジット交渉に関する不透明感を筆頭に、政治の停滞懸念も高まっている。

一方、年初来で見ると世界全体で資産価格は軒並み堅調だ。先行き懸念が高まっている中でリスク資産が上昇するのは、本来であれば理論的におかしい。理論的におかしなことが起きている背景には、今後、世界的に緩和的な金融環境が実現するとの見方がある。

金融市場にその見方が浸透するにつれ、悲観的な見方に反して世界経済は好調さを維持する可能性がある。

 

急速に増える世界経済の先行き懸念

3月後半以降、世界中の市場参加者が今後の経済が大きく減速するのではないかという懸念を強め始めた。最大の原因は、ユーロ圏の景気減速が深刻であることだ。特に、ユーロ圏全体の景気を支えてきたドイツ経済は、“つるべ落とし”と呼ぶべき状況に直面している。中国経済の減速を受け、同国の製造業の景況感は冷え込んでいる。

今後もドイツ経済は厳しい状況に直面し続ける可能性がある。米中の貿易戦争やブレグジット交渉の不透明感から、世界的に貿易は停滞気味だ。ドイツの貿易依存度は、GDPの80%程度に達し、主要先進国の中でも極めて高い。短期間でドイツ経済が持ち直すことは容易ではないだろう。それは、ユーロ圏全体の景気を停滞させる恐れがある。

加えて、中国経済に関しても、まだ、持ち直しているとは言いづらい。中国では、個人消費や企業の生産の増加率が低下基調にある。それは、中国の需要取り込みを重視してきたドイツ経済の持ち直しを遅らせ、ユーロ圏経済の先行き懸念を高める要因だ。米国に関しても、経済指標はまだら模様の状況にある。経済の実態がつかみづらいと感じる参加者は多い。

米中の通商協議も先行きへの不透明感を高めている。米中の間では、追加関税の引き下げの在り方や、合意内容に違反があった際の罰則に関して溝が埋まっていない。いつ、どのように米中が通商問題に関する合意に至るかは見通しづらい。政治・経済の不確定要因がある中、先行きは慎重に考えざるを得ないというのが、多くの市場参加者の本音だろう。

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