動物たちにとって、春は恋の季節です。
エゾモモンガは、ジジジーと虫のような鳴き声でパートナーに語り掛けます。
この鳴き声が、広い林の中で彼らを見つける手掛かりになります。
面白いことに、この音は、聞こえる人と聞こえない人がいます。モスキート音のような音なので、年齢を重ねると聞こえなくなるようです。
山へグループで入って、モモンガの声が聞こえたときに、若者たちが「あっ、鳴いている!」と騒いでいても、一緒にいるおじさんたちは、「いいな~、お前ら聞こえて~」と残念がっていることがよくありました。
つい最近、山に入ったとき。
隣を歩いていた女性が「鳴いている!」と言って、樹上を見上げて探し始めたのですが、ボクには全然聞こえないということがありました。
「うわっ、聞こえなくなっちゃったんだ」
愕然として立ちすくんでしまったのですが、かぶっていたニット帽を脱いだら聞こえてきました……。
39歳の僕には、まだなんとか聞こえるようです。
聞こえなくなったら、寂しいですね~。