「法律を変えてもいい」が66.9%

日本はどうかというと、3月25日、「夫婦別姓を禁ずる戸籍法は違憲だ」とする訴訟に関して、東京地裁が「夫婦別姓を認めないのは合理性がある」と訴えを退けたばかりだ。かんたんにいえば、「これまでどおり夫婦別姓は認めませんよ」ということ。

いろいろな法的事情があるにせよ、ネット上では夫婦別姓訴訟の支援にかんして5万人以上の署名が集まっているというのに……。

とはいえ、「わたしは彼の名字になりたい」「彼女が名前を変えるはずだ」と考えていて、『夫婦別姓』というテーマ自体に興味のない人もいると思う。

そんな人のために、内閣府の世論調査結果を紹介したい。

・「結婚するなら夫婦は同じ名字にすべきだから法律を変える必要はない」が29.3%(60歳、70歳代の割合が高い)

・「夫婦同じ名前にすべきだが、旧姓を通称できるように法律を改めてもいい」が24.4%(30歳〜50歳代)

・「希望者が別姓にできるように法律を変えてもいい」が42.5%(18〜29歳、50歳代が多い)

もう、答えは出ているのだ。これから結婚する確率が高い年齢層の人々は、「夫婦別姓賛成派」が多い。夫婦別姓には反対でも、少なくとも「旧姓で問題なくすごせるようにすればいい」と考えている。

ということは夫婦別姓の是非は、「選択肢が多い『これからの社会』をつくるために努力をする気はありますか」という問いかけなんじゃないだろうか?

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どちらが「正しい」という問題ではない

もちろん、夫婦同じ名字を名乗る、女性が夫の名前に改姓することを否定する気はまったくない。でも、そうしたくない人、そうすると困る人だって、現実的にいるわけだ。

どっちが正しい、という話をしたいんじゃない。「選択肢をつくろうね」という話をしたい。夫婦別姓に「選択式」という枕詞がつくのも、それが理由だ。

だから、「夫婦は同じ名字を名乗るべきか」ではなく、「夫婦別姓を望む人がいますが、その主張を否定してまで夫婦同姓を強制する妥当性があると思いますか」と聞いた方がいいと思う。反対派の人はそれでも、「当然強制できる」と言うんだろうか。

「選べなくて当然」と認めることは、将来、自分の首を締めるかもしれない。「日本人は黒髪でいるべきだから黒髪強制でも問題ない」「異性と恋愛するものだから同性婚は認める必要がない」……。それと同じだ。

将来あなたの子どもがなにかしらの理由で、明るい色の地毛をもって生まれるかもしれない。親友が実は同性愛者かもしれない。それでも、「選べなくて当然だ」と言うんだろうか。これからも、ずっと?

ドイツでは、夫の名前にする人、妻の名前にする人、別姓にする人、ダブルネームにする人。それぞれ自分がどう生きていきたいか、自分にとってなにが大事かを考えて、選ぶ

「ドイツでは」と持ち上げること自体は好きじゃないし、文化的なちがいももちろんある。それでもやっぱり、「選べるかどうか」は、「自分の人生を自分で決められるかどうか」でもあり、とても大事なことだ。

夫婦別姓は、「選べない社会を認めるか否か」という問いでもある。だから、本当にこのまま「夫婦同姓」を強制しつづけていいのか、夫婦別姓を希望しない人もふくめ、みんなで考えていきたい。