この国で「自称心理カウンセラー」が乱立する現状はようやく変わるか

「公認心理師」をご存知ですか
原田 隆之 プロフィール

公認心理師法が成立するまで

心理の専門家の国家資格化は、心理臨床の現場で働く者たちにとって、長い間の悲願だった。何度も法案をまとめる動きが起こっては、そのたびに頓挫してきた。特に強硬な反対姿勢を見せたのは、医師会や精神科医の団体であった。

当初は、臨床心理士同様、大学院修了を条件にして、医師の指示を受けない専門職としての国家資格化を目指していた。しかし、それが競合を懸念する医師団体の強い反発を招き、長い間の混迷の時代を経ることになったのである。

結局、大学卒での受験資格となり、法律には「主治の医師があるときは、その指示を受けなければならない」(第42条2項)という規定が盛り込まれた。こうして、「公認心理師法」は2015年9月に成立し、2017年に施行された。

一方、所管官庁の文科省と厚労省は、2018年1月に「医師の指示に関する運用基準について」という文書を発出し、「公認心理師の専門性や自立性を損なうことのないように」ということで一定の「歯止め」をかけた。

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第1回の国家試験をめぐって

さて、この公認心理師試験、本来は大学で公認心理師のカリキュラムを終えた者が受けるのであるが、まだほとんどの大学では公認心理師カリキュラムは走っていない。

今年4月からという大学がほとんどだろう。つまり、正式のカリキュラムを経て受験する人々が出るのは、5年後のことになる。

それでは、今回国家試験を受験したのは、どのような人々なのだろうか。

まず、臨床心理士有資格者が一番多いと思われる。最近大学院を修了して臨床心理士となった若い人たちは、彼らが学んだカリキュラムを公認心理師カリキュラムとの「対応表」などで読み替えて、受験資格を得ることができる。

また、私のように、何年も前に大学院を修了して臨床心理士資格を有している場合は、昔のカリキュラムが公認心理師カリキュラムに対応しない部分が多い。

その場合は5年を限度に「移行措置」が適用される。それは、「5年以上の臨床経験」があり、所定の講習(現任者講習)を受ければ受験できるというものである。

とはいえ、それが大混乱であった。

まず大変だったのは、講習への応募である。応募が始まるや、予想を上回る数の人々が応募したのである。全国の講習会場一覧が示され、第7希望までを記載して応募することが求められたが、私などは全部落選してしまった。

こうした落選組の救済として、追加で講習が実施された。それは、とにかく人数を詰め込もうという方式で、東京ビックサイトなど全国の大規模会場を使って、数百人もの人々を一室に詰め込み、朝から夕方まで連日4日間などという苛酷な研修となった。私は受講者であるとともに講師までやらされたので、本当にクタクタになってしまった。