マンションを「廃墟化」させる管理組合のあきれた実態

こんな「犯罪」が行なわれている
榊 淳司 プロフィール

犯罪行為が見逃されている

近隣の不動産屋は、そういった事情をよく呑み込んでいる。

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「あの物件は購入して住むのはいいかもしれませんが、賃貸には出せませんよ」

そのマンションについて聞かれると、そう答えるという。

実際、そのマンションは周辺に比べて中古価格も月額賃料も異様に安い。すでに市場から敬遠されているのだ。

このマンションでは今、有志たちによる理事長追放の運動が起こっている。しかし、理事長を解任するには、まず区分所有者全体の5分の1が臨時総会の開催を求め、そこで解任の議案を過半数の賛成を得て可決しなければならない。これは簡単なようで、かなり難しい。

まず、反理事長派の人々はただの区分所有者だ。そのマンションの区分所有者の連絡先さえわからない。

 

マンションに住んでいる人については、ポストに書類を入れるなり、戸別訪問で接触して反理事長派の意見を伝えることも可能なのだが、居住していない人については登記簿を調べることくらいしかできない。ただ、登記簿に記された住所が現在の連絡先とはかぎらないのだ。

日本という国は、衆議院議員を選ぶ国政選挙でも、投票率が6割に満たないことがほとんどである。東京23区の区議会議員選挙に至っては、軒並み4割台の投票率だ。マンションの場合はさらに規模が小さくなる。しかし、それこそ身近な問題なのに、関心を払わない人が多すぎる。

身近な問題だけに「めんどうくさいことにはかかわりたくない」、「争いに巻き込まれたくない」という人も多い。また、管理費や修繕積立金が横領されていても「表面上は問題がないからいいではないか」と考える人もいる。

だから、仮に全区分所有者の5分の1の賛同が必要な臨時総会開催にこぎつけても、その総会で理事長解任決議案は否決される可能性が高い。

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