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# 採用

職場の離職率を改善する「トライアングルコミュニケーション」とは?

“ナナメの関係”を利用しよう
少子高齢化と景気回復によって、人手不足に悩むお店が増えている。そんなお店の心強い味方が、「ツナグ働き方研究所」所長・平賀充記氏の『パート・アルバイトの応募が殺到! 神採用メソッド』だ。平賀氏によれば、時給を上げたりせずとも、パート・アルバイトの定着率を高める秘策があるという。それが「トライアングルコミュニケーション」だ。「神事例」を引き合いにしつつ、平賀氏にそのポイントを教えてもらった。

新人の顔と名前を覚えよう

人手不足が深刻な、小売りやサービス業の店長にとって、たくさんの時間とお金をかけ苦労してようやく採用できた新人に辞められてしまうことほど、ショックなことはありません。

私は長年、店舗のアルバイト・パート採用に関するサポートをしてきましたが、じつは、新人がすぐ辞めてしまう職場には共通点があります。

それは、新人が「この職場には自分の居場所がない」と考えてしまうことです。逆に言えば「この職場には自分の居場所がある」と思ってもらえれば、アルバイトの早期離職はかなりの確率で防ぐことができるのです。

「この職場には自分の居場所がある」と感じてもらうために、いちばん手っ取り早いのは、新人の名前を覚えてあげることでしょう。

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まわりの人に顔と名前を覚えられていることは、脳科学や心理学的な観点から見ても、非常に重要な要件です。顔と名前を覚えられていることで、その場所を「自分の居場所」だと強く感じられるようになるので、安心感が増すうえ、その職場に対するコミットメントを感じることにもつながるからです。

ある調査によると、上司に自分の顔と名前を「あまり覚えられていない」と感じる人の3割以上は、離職意向が高まる傾向にあるといいます。

逆に、「顔と名前を覚えられている」と感じている人は、そうでない人よりも、仕事に対するモチベーションが高い人の割合が約4割高いというデータもあります。

新人に、「職場で顔と名前を覚えられている」と感じてもらうことが、いかに重要であるかがわかりますよね。結果的にそれが、モチベーションアップや、「辞めたい」という気持ちを解消することにつながるのです。

また、新人の顔と名前を覚えるだけでなく、新人にスタッフの名前を覚えてもらうことも、モチベーションを高く保って働いてもらうためには重要な要素です。

 

「知っている顔がいる」職場には親近感も増しますし、職場でコミュニケーションがとれたという体験を積むことができれば、より“居場所感”も増していきます。

そもそも、新人の立場で考えれば、自分の名前は覚えてもらっているのに、自分は先輩の名前を覚えていないとなれば、引け目を感じるのは当たり前です。

だからこそ、新人の名前を覚えてあげること以上に、新人に先輩の名前を覚えてもらいやすくする工夫が大切。そのほうが職場にはやく溶け込めるのです。さらに、先輩の名前を覚えることは、新人のスキルアップにも影響します。

何か質問したいとき、「あの~」と聞くよりも「〇〇さん」と名前で呼びかけるほうが、声をかけやすいからです。

このように、「新人の顔と名前を覚えること」と「新人に顔と名前を覚えてもらうこと」は、離職防止と、モチベーションアップ、業務効率の向上という3つのメリットがあります。

社員、パート、アルバイト同士がたがいに、顔と名前を「覚えている」「覚えられている」職場、つまり“顔と名前が一致している職場”を目指しましょう。