◎売却や賃貸は、20年以上も先のこと。そこまで予想するのは本来難しいことである。
◎住まいは何のためにあるのか? 日々の暮らしを豊かに送るための基盤ではないのか。駅から遠くても、さほど苦にならない程度なら、そちらを選択してもいいのでは?
◎20年後に売却するとき、値下がりは間違いないだろう。でも、下がり方が極端でなければいい。その許容範囲は、どのくらいだろうか。単純に金銭的な損得だけで判断してみる。20年マンションの価格は今、いくらかを調べてみたら大まかな予想はできるかもしれない。
◎20年後に購入価格の半分になったとする。しかし、住宅ローンは半分以上返済が進んでいるので、銀行の清算をしても手残りがある。少なくとも頭金以上の金額が残る。これなら損はない。
仮に、売却せず賃貸したら、駅前物件ほど高くは貸せないが、ローン返済に充当できるくらいの額は取れそうだ。とすると、最終的にはローンなしの物件が残る。そのときに売れば、更に売値が安くなっても手残りは大きい。
◎仮に4000万円の借り入れをした場合、20年後に残金はいくらになっているかをネットのローン計算ソフトで計算してみると、35年返済、固定金利1.2%の場合、残債は1920万円。
仮に頭金500万円で4500万円のマンションを購入した場合、20年後に半値の2250万円になってしまったら、ローンを精算すると手残りはわずか330万円だ。頭金500万円や初期投資の各種費用もあるので、半分も戻らない計算になる。
◎毎月の返済額11万6000円と管理費等を合計した金額が約15万円だから、これでは、賃貸マンションに住んだ場合と負担は変わらない。とするなら、賃貸マンションの方が良いかも。
本当にそうなったとき、きっと暗澹たる気持ちになることだろう。しかし、そのままローンが終わるまで保有したとき、半値をさらに下回るとしても1500万円くらいにはなりそうなことに希望が持てる。
◎それに、家主に気兼ねして住む家とマイホームでは満足感はまるで違うではないか。
100点をつけられるような理想的なマンションはそもそも存在しない、必ず気に入らない点や懸念点が一つ二つはあるのです。このような例を参考にして、優先順位をつけながら自分の考えを整理しましょう。
居住性も高く、かつ将来の資産価値も高い物件を望みがちです。しかしながら、それには予算を大幅に上げなければならない場合も多いことでしょう。それが可能な人は、値下がりの小さい都心の人気エリアに求めればよいですが、簡単に行かない人はどうしたらよいのでしょうか?