現在ヤングマガジンで漫画化もされている『キッズファイヤー・ドットコム』ではクラウドファンディングでのホストの子育てとその行く末を描き、意外そうながらリアルな育児ワールドを展開していた作家の海猫沢めろんさん。自身も小学生の子どもを育てている真っ最中だ。

乳幼児期とは違った「子どもとの対面」が必要となってくるこの時期、アイデアマンのめろんさんは日々の問題にどう対応しているのか? 

連載第2回は「漢字の書き取りで先生に細かい赤字入れられて子どもが嫌な思いをしている問題」について。

(第1回「『将来は何もしたくない。仮面ライダーになる』と言った息子との交戦」こちら)

「書き取り」で炎上

ある日、Twitterを見たら漢字の書き取りについてのTweetが炎上していた。
https://twitter.com/makotch_n/status/1098909298271313921/photo/1

内容は、小学校の漢字テストで、先生がささいな部分(線がちょっとだけはみ出してるとか、形が汚いとか……細かい!)にこだわり、ほとんどの文字に☓をつけたというもの。

Twitterには、「16点」と書かれた画像がアップされていた。

あっ、これ見覚えある!

うちの子も似たような目にあっていたのである。

たしか1年生の3学期くらいだろうか。子供が定期的に腹痛を訴え、号泣するようになった。原因を探っていくと、どうやら漢字の書き取り時間が原因らしい。最初は、

「いやいや! 漢字の書き取りくらいで何言ってんだよ!」と思ったが、ノートを見て「むむむ」と唸った。

そこには赤字コメントで「いつきれいにかくの?」という文字が……えっ……!? き、きびしいっす……なにか理由があるのかなと思いノートをさかのぼると、それ以前に「ていねいに」という注意書きが複数回。なるほど、積もり積もった末に、ということか。

しかし先生の赤が細かい。逆に「よく見てんなあ!」と感心するくらいの細かさだった。

「女」の横棒のバランスが悪いとか、「月」の横棒が1ミリはみ出てるとか、「つ」の角度が悪いとか……これは泣く。ぼくもクリアできる気がしない

だいたいで良くないのか?

小学校における漢字の書き取り――大人も一度は通った道だ。そして、誰もがこう思ったはずだ。

「何回も書く意味あるか……これ? だいたいで良くね?」

漢字の書き取りに意味がない――とは言わないが、ものには限度がある。キーボードやスマホで文字を打つこの時代、漢字を綺麗に書けることより、読めることのほうが大切だと思うのだが……。

いや、しかし、まてよ……これだけ先生たちが漢字にこだわるのには、なにか理由があるのでは? と思って調べてみたところ、やっぱりあった!

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/068/siryo/__icsFiles/afieldfile/2016/03/31/1369048_05_2.pdf

これは平成28年度に文科省が作成した、参議院文教科学委員会での議事録、「学校教育における漢字指導の在り方について」という資料である。簡単に要約すると、漢字は書体や手書きなどで細かく違いがあるけど、混乱するから「教科書体」をもとに、漢字をちゃんと教えなさい。教育現場が混乱して、保護者から文句も来てるんだよ!

という資料である。なるほどわかった。

小学校の先生が漢字をちゃんと教えようとするのは、こういう背景の圧力を受けてのことだったわけだ。大人の世界は大変である……。