サザンから星野源まで…平成の名曲ベスト50を決めよう

異論が出るかもしれないが、でも納得
週刊現代 プロフィール

AKBもランクイン

やはりシンプルなメロディで、自分も歌いたくなる歌が名曲の条件。前出の前田氏は平成の名曲として以下の曲を挙げる。

「Kiroroの『未来へ』は歌詞が素晴らしい。この曲は、最初は母の視点で歌われますが、歌詞が進むと娘の視点、最後には母になった娘が自分の子供に言葉を託す流れになっている。

ここまで大きなスケールの視点で書かれた歌詞は、ヒットソングとしては珍しい。その普遍性は後の世代にも通用するでしょう。

 

アイドルソングのイメージを一変させたのが、Kinki Kidsの『硝子の少年』です。何と言っても、作曲が山下達郎さん、作詞が松本隆さんです。

達郎さんはこの曲を作った際にKinki Kidsに『これは君たちが何歳になっても歌える曲だ』と言ったそうです。しかも松本さんの歌詞には少年の純粋な気持ちが描かれているので、時代が変わっても歌い継がれていくのではないでしょうか」

最後に前出の柴氏が近年の楽曲を解説する。

「'10年代のヒット曲には、条件が二つありました。一つが、AKB48の『恋するフォーチュンクッキー』のようなみんなで踊れる曲。もう一つが、映画やドラマの主題歌として、物語と深く結びついた曲。

星野源『恋』は、この両方を兼ね備えている曲です。ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の主題歌でありながら、星野さんも主演としてドラマに登場。歌詞とドラマのストーリーが深くリンクすることで、視聴者は惹きつけられました。

加えて、みんながこぞってあの『恋ダンス』を踊っていましたよね。音楽的にはとても複雑で高度な曲なのですが、それを親しみやすくするのが、ダンスの力なんです。

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『Lemon』をヒットさせた米津玄師さんはもともとネットで曲を投稿していた方。

ネットカルチャー出身で、国民的ヒット曲を作った最初のシンガーソングライターと言えると思います。この曲は愛する人と死に別れてしまう喪失感と悲しみが歌われています。ただし、これは誰もが体験することなので、共感できる。

主題歌となった石原さとみさん主演のドラマ『アンナチュラル』では、クライマックスの場面で、『夢ならばどれほどよかったでしょう』と歌い出しが流れます。小田和正『ラブ・ストーリーは突然に』にも通ずるようなドラマチックな使われ方をしていました」

平成の時代は、CDからMD、そしてデジタル配信へと音楽をめぐる環境が激変した。だが、名曲の魅力は不変だ。ランキングを見ながら、口ずさむだけで、楽しくなってくる――。

「週刊現代」2019年3月16日号より