年金暮らしの人が「持ち家を売る」のが大間違いである5つの理由

そして、不幸のどん底に落ちていった…
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想定外のコスト

家が思うように売れない現実について、前出の太田氏が語る。

「不動産は欲しい人がいないと売れません。しかも、その人がいくら出せるかにも左右されます。

都市部の家は買い手も多く需要がありますが、郊外で不便な場所にある家は売れない。老後は家を売り、便利な場所に移ろうと思っても、肝心の家が売れず、思ったほどの資金にならないのです」

しかも、今後の不動産マーケットの先行きもよくない。多くの識者は、東京五輪が開催される2020年をピークに不動産価格は下がると予測し、下のグラフのとおり、売れない空き家の数はどんどん増えていく。

「増加する空き家が市場に売り物件として出されれば、中古住宅の価格は大きく下がる。また新築住宅もまだまだ建てられており、住宅の価格はますます下落します」(相続・不動産コンサルタントの藤戸康雄氏)

 

貯金寿命が尽きてから家を売ろうと思っても、その時には中古住宅の価格が大暴落している危険もあるのだ。

もし売買が成立したとしても、売却額がそのまま手に入るわけではない。手数料など想定外のコストがかかる。

例えば、1000万円の不動産を売った場合、平均すると約36万円もの仲介手数料がかかる。

さらに古い物件であれば境界が明確でないため、測量の必要があり、これにも少なくとも約10万円がかかる。こうした費用を考えると、見込んでいた儲けは目減りする。

結局、老後資金の最後の頼みの綱だった家を売ったところで、期待していたほどのおカネにはならない。

しかも賃貸に住み続けると、むしろ貯金寿命を縮める結果になるのだ。