# 芸能 # エンタメ

平成最後の歌舞伎座で、空席が目立ってきた必然的な理由

リピーター獲得に失敗したのは明らか

なぜ不入りが続くのか

「平成最後」にも飽きてきたが、いよいよ、歌舞伎も平成最後の月を迎えようとしている。

しかし、あまり景気のいい雰囲気ではない。

4月の歌舞伎座は、これを書いている3月27日現在、まだかなり空席がある。売り切れたのは、土日のいちばん安い3階B席くらいだ。

はっきりいって、あの座組・演目では、売れないと思う。よく言えば「通好み」だが、アピールするものに欠ける(https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/610)。

演目と座組が発表になった時、松竹は完全に投げているなと思った。私は、毎月、昼・夜とも行っているが、この月ばかりは行くかどうか悩んだくらいだ。

よく言えば「通好み」で、当代の名優が古典を演じるのだが、仁左衛門と猿之助を除けば、みな華のない役者だ。華のある役者・猿之助にしても、4月の「黒塚」は、明るく派手なものではない。名作ではあるが、地味で暗い。ワクワクさせる期待感がない。

もしいま、まだ歌舞伎を見たことのない人から、「歌舞伎に興味があるので、4月に行ってみようと思ってます」と言われたから、「4月はつまらないから、5月にしたほうがいい」と言うだろう。

気分は、もう5月の團菊祭に向かっている(https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/614)。

海老蔵の『勧進帳』、菊之助の『京鹿子娘道成寺』、そして菊之助の息子の丑之助襲名の初舞台、さらに尾上松也が、『御所五郎蔵』で主演する。

深刻な客離れ

話を戻すと、昨年来、歌舞伎座は、かなり不振である。

毎日行っているわけではないが、松竹のチケット販売サイトで空席状況を割合とチェックしているので、売れ残っている様子は分かる。とくに、2月、3月は、私が行った平日は、3階は半分くらいしか埋まっていなかった。客離れは明らかである。

昼・夜とも完売したのは、昨年7月の海老蔵と息子・堀越勸玄が出た月が最後だ。かつては集客力のあった玉三郎も全日完売にはいたらない。

2013年に歌舞伎座が新しくなった当初は、物見遊山的なお客さんも多く、連日、満席だった。2年目もけっこう埋まっていた。

やがて、月によって、つまり出演者と演目によっては、空席が多くなっていき、昨年、一昨年は、海老蔵の出る月以外はなかなか完売になっていなかった。

メディアが大騒ぎした高麗屋三代同時襲名ですら、完売ではなかったし、勘三郎存命中はチケットが取りにくいので有名だった、8月の納涼歌舞伎も完売にはならない。

話は単純だ。2013年から14年に、「一度は新しい歌舞伎座に行ってみよう」と思って出かけた人が、リピーターにならなかったのである。

新しいファンの獲得に、歌舞伎座が失敗したのは明白だ。