〔PHOTO〕gettyimages

「逆イールド」発生...米国経済ついにリセッション入り目前か

株式市場はまだ楽観的だが…

その時が迫っている

世界景気全体が減速感を強める中、比較的堅調に推移していた米国経済だが、ここにきてやや減速感を強めつつある。

アトランタ連銀発表の「ナウキャスト調査(月次の経済指標から実質GDP成長率を予測する手法)」によると、2019年1-3月期の実質GDP成長率は、前期比年率換算で+1.4%となっている(2018年10-12月期の実質GDP成長率の実績値は同+2.6%であった)。

この数値は月次経済指標が発表されると更新されるが、米国経済が減速傾向を次第に強めていることが伺える指標である。そして、このような景気減速を反映してか、マーケットでは米国長期金利の低下が目立つ展開となってきた。

しかも、3月終盤に入ってからは、10年物の利回りと3ヵ月物の利回りが逆転する「逆イールド」が話題になり、これをきっかけに株価が大きく下げた。

実は、この逆イールド現象は、昨年8月にも話題になった。ただし、昨年8月時点での逆イールドは、10年物利回りと2年物利回りの間での現象であった。

そもそも逆イールドかどうかは、国債のイールドカーブ(横軸に年限、縦軸に利回りをとりプロットしたもの)全体で議論すべき話であり、ある特定の年限だけを取り上げて議論すべき話ではない。特に昨年8月のケースでは、2年物から5年物にかけての年限の利回りが急激に下げた一方で、その他の年限では順イールドが維持されていたので、イールドカーブ全体で逆イールドという現象が発生していたわけではなかった。

従って、(ある特定年限の間での)逆イールドが景気後退や株価下落の予兆かどうかという議論はあまり意味のないものであったと考える。

 

そこで、今回だが、昨年10月以降のイールドカーブを描いてみると(図表1)、特に昨年12月以降、典型的な逆イールドに向かってイールドカーブの形状が変化している様子がうかがえる。

ただし、正確にいえば、まだ逆イールドという状況ではない。もし、FRBの利上げが今後ないとすれば、逆イールドになるとすれば、5年超のゾーンの国債利回りがさらに低下することになる。

もし、典型的な逆イールド状態になるとすれば、10年物国債利回りの水準は2.0%程度まで低下する可能性がある。場合によっては(このまま米国景気が減速の度合いを増し、かつFRBが金融緩和に転じることがないという場合には)2%を割り込むかもしれない。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら