コスメ業界を一変させる大発見をした名研究員に訊く「美白の科学」

美白のカリスマ研究員がキャリアを語る
リケラボ プロフィール
ポーラ化粧品
ポーラ化成工業横浜研究所

──従来とは異なる視点で研究しようという意識は、どうして持つようになったのですか?

プラスアルファの発見をしたいという想いがあるからでしょうか。「自分にしかできない発見をしたい」「誰も知らないことを見つけていきたい」という気持ちが軸になっているのだと思います。

そのため、与えられたテーマを越える「問い」をいつも考えて、研究に向かっています。「自分にしかできない新しい世界を創ろう!」という感じですね。

 ──それがいろいろなチャレンジにつながっていくのですね!

研究成果を活かして新たに遺伝子解析事業にチャレンジしたり、ヒトだけでなく霊長類でシミの遺伝子の動きを見てみたり、進化の過程でシミの遺伝子がどんな変化をしてきたか調べたり、古代人の肌を研究してみたり……。

いろいろな研究をしてきました。もちろん、うまくいったものも、いかなかったものもあります。

──縄文人と弥生人のどちらをルーツに持つかでシミができやすかったりできにくかったりするという研究、とても面白いなあと思いました。これは、もはや化粧品研究を超えて人類学や考古学の領域ですよね。

もちろん自分一人じゃできないので、社外の専門家の方にお話をさせてもらって協力をお願いすることも多いです。古代人の研究は国立科学博物館をはじめ多くの専門の先生にご協力をお願いしたのですが、ありがたいことに、こちらの熱意を伝えるとみなさん暖かく迎え入れてくれるんです。

そのほかの研究も、業務の範囲を超えて自主的に進めることがしばしばあるのですが、お昼休みなど合間の時間に研究室や設備を使わせてもらえるのは、会社からのサポートとして感謝しています。

縄文人(左)と弥生人(右)のイメージ。 日本人は縄文人と弥生人の2種類の遺伝子を受け継いでいると言われ、縄文人型のほうがシミのリスクが高いのだとか。

──やりたくて始めたことでも、本業との両立の問題もありますし、必ずしも期待通りの結果が出るとは限らないわけで、大変なことがたくさんあったと思います。それでもチャレンジを続けてこられた、モチベーションを保つ秘訣は何でしょうか?

妄想することです(笑)。うまくいったときにみんなが驚く様子を妄想するのが一番のモチベーションな気がします。

私は学生時代にあんまり成功した体験がなくて。大学での勉強も、大学院での研究室配属も、思ったようにいかなかったんです。だから、「自分がやりたいことにチャレンジできる」というのがとてもうれしくて、それ自体がモチベーションにつながっているともいえますね。

仕事は、新しい驚きを生むための手段

──ここからは、本川さんのヒストリーについてお聞きしたいと思います。まず、大学院ではどんな研究をされていたのでしょうか?