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# 雇用

完全失業者「8年9ヵ月ぶり増加」が伝える、日本経済の危うい状況

「働かざるを得ない人」が増えている

人手不足を女性求職増が上回る

仕事を探していても職が見つからない「完全失業者」数が、2019年1月の調査で166万人となり、1年前に比べて7万人増えたことが分かった。完全失業者数が増加したのは何と8年9カ月ぶりのことだ。

安倍晋三首相が雇用情勢は改善していると成果を強調している折だけに、この「異変」をどう見るかが、今後の日本経済を占う上で重要なカギを握りそうだ。

総務省統計局が発表した1月分の労働力調査によると、仕事に就いている「就業者」数は6628万人と前年同月比66万人増加。企業などに雇われている「雇用者」数も5953万人と73万人増えた。

いずれも73カ月連続の増加だ。2012年12月に第2次安倍内閣が発足した直後から増加が続いていることから、雇用が増えたことが安倍内閣の最大の功績とされている。

就業者、雇用者が大きく増えているにも関わらず、現場の人手不足はまったく改善していない。正規社員・職員は前年同月比27万人増の3474万人と50カ月連続で増加、非正規社員・職員もここ1年あまり再び増加しており、35万人増の2154万人と16カ月連続で増えた。完全失業率は2.5%と空前の低さを維持している。

そんな中で完全失業者数だけが8年9カ月ぶりに増加したのである。いったなぜ増えたのだろうか。

 

中味を見てみると、男性の完全失業者は1万人減少しているにもかかわらず、女性の失業者が7万人増えているのだ(四捨五入のため合計が合わない)。

もっとも、女性の就業者数(15歳〜64歳)は1年前に比べて33万人も増えているし、65歳以上の女性でも1年前より21万人多い344万人が働いている。働く人が増えているにもかかわらず、失業者も増えているのだ。

つまり、働きたいと考えて求職活動を行う女性が増えている結果、失業者が増えたとみられるわけだ。今や女性の就業率は7割に達し、女性も仕事を持って働くのが当たり前の社会に変わっている。社会で活躍する女性が増えるのは歓迎すべきことだろう。

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