女性の働き方は一様ではない

そんなある日、歳の近い後輩に言われたんです。「後輩たちは見ていますよ。バラエティーしかやってこなかった仁美さんが、復帰後どんな仕事をするのか。それによって自分たちの身の振り方を考えると思います」と。

鈍器で頭をたたかれたような気分でした。

後輩たちが実際に私を見ていたかどうかは別として、突如現実に引き戻され、復帰後、果たして私にはどんな仕事ができるんだろう? まさにゼロからのスタートになる30すぎたフットワークの重い子持ちのアナウンサーを、誰が使いたいと思ってくれるんだろう? そもそも私が今まで積み上げてきたものって何かあるのかしら? と急に怖くなり、それに伴う後輩たちの影響を勝手に背負いこむという二重苦に。

頑張らねば、と思い、産休に入るまで週一回夕方から深夜にかけての報道の仕事を引き受けたりもしました。ただそれはそれで、私が産休に入ることで次に妊娠したアナウンサーにその仕事がまわることにつながりました。彼女は病院で診断書をもらう程の重度の悪阻ではないけれど、深夜までの仕事は避けたいと思っていたそうです。それなのに、私ができたという前例があるので断るに断れなかった、と。

同じような話は育休復帰後もあり、夫や近隣に住む実母、時にはシッターさんの助けをフルに活用して時短もとらずにバリバリ働いていた女性が、一緒に働いていた女性に「そんな働き方をされると、このあと妊娠して出産しづらくなる。私はそんな風に子どもを産んだあと働ける環境にないと思うから」と言われたそうです。

勿論、どちらの状況も仕事を断っても問題はありませんし、咎められるようなことではありません。でも、そのどちらの気持ちも理解できます。

出産予定日の近い後輩の家で持ち寄りランチ会。体重増加が気になる話をしながら食べ続けてしまう矛盾。こんな風に気楽に仕事の話もできる友人がいると助かります 写真提供/中村仁美

「ないない探し」は自分を追い詰めるだけ

立場は違えど思いは一つ。
「妊娠や子育てを理由に仕事ができない、と周囲に思われたくない」。

特に一人目の育休明けはそう思っていたかもしれません。そうじゃなくても、出産の前と後、自分ではあの頃の延長線上にいるつもりなのに、周囲からの見られ方や会社での扱われ方、自分をとりまく状況が大きく変化していることに戸惑う毎日。リセットしたつもりができていない、まだまだ親になりきれていない自分との葛藤。“最初”の出産後は今思い返しても身も心も不安定な日々。