サステナブルなライフスタイルをカタチにするための情報発信、交流の場づくりをする「FRaU×SDGsプロジェクト」。その第1弾として、料理通信とのコラボレーションによって開催したイベントをレポートします。

ローカルファーストを大切に、
環境やまちづくりにもアプローチ

副産物を活用して、丁寧に昇華させる

ウェルカムドリンクには、夏に庭で収穫された穂紫蘇を使ったお茶がふるまわれました。

SDGsを広めるには、どのようなアプローチをすればよいのか――。イベント前に参加者から多く寄せられた声です。すべてのゴールに深く関わっている “食” を通して、暮らしのなかに潜んでいる「世界を変える、はじめかた。」のヒントを見つけてほしいという思いでこのイベントを開催しました。

冷燻された発酵バターと薪の香りが食欲をそそる一品。
無農薬の葉野菜はエネルギー溢れる味わい。ホエーは漬物やザワークラウトにも活用されているそう。
やさしい味わいのスープ。パセリのオイルがアクセントに。

今回、舞台となった東京調布市、深大寺の一軒家レストラン「Maruta」は、ローカルファーストを軸に、地元の食材やあまり光が当たっていない食材を使った料理を提供しています。近隣農家で採れたルッコラやケールのサラダのドレッシングにホエーを使ったり、スープは三鷹産オレンジ白菜のピューレとバターを作ったあとに残るバターミルクを合わせたり、食材を余すことなく使いきりたいというメッセージが、一貫して料理に込められていました。

左から、東京宝山の荻澤さん、Marutaオーナーの田丸さん。

オーナーの田丸雄一さんは、実は緑化事業が本業。“つながる暮らし” をテーマに、生産緑地だった場所に2棟の居住棟とMarutaをオープンしました。

「ゲリラ豪雨や猛暑だけでなく、微細な気候変動による影響を日々感じています。旬のものを一年中流通させることが気候変動につながっている。食を通して、皆さんにも身近なこととして感じてもらいたいです」

作り手、食べ手のためにも
サシ信仰の価値観を変えたい

エシカルに育てられた、
くまもとあか牛を堪能

ありのままで育った赤身肉は、濃厚な味わいが特長。

メイン料理となったのは、熊本・阿蘇の大草原で放牧しながら牛を育てる井信行さんの「くまもとあか牛」の薪焼き。牧草以外に与える米や大麦、おから、大豆などの飼料も阿蘇を中心とした国産100%、できるだけ近くのもので牛を育てる循環型の肥育が評価され、2016年に第7回辻静雄食文化賞を、生産者で初めて受賞しています。

自身の仕事や体験に基づく、サステナブルな内容の会話が弾んでいました。

くまもとあか牛を卸している荻澤紀子さんは、「牛が草を食べてくれることで野焼きも楽になり、景観や水源も守られます。放牧型粗飼料多給による肥育はサシが入りにくいので、サシが好まれる日本では格付けのランクは低いですが、あか牛の価値やサステナブルな生産方法の意義やおいしさを、井さんに代わって広めていきたいです」と語ります。

親鶏の出汁をいかしたパエリア。
セロリのコンポート。アイスには庭のローリエが使われています。

参加者の中には、海外と日本のSDGsに対する意識の違いを感じている人が多かったようです。食が豊かな日本だからこそ、それぞれが日々の食事でサステナブルな選択をすることによって、SDGsが広がる大きなきっかけになるのではないでしょうか。

庭では、ふきのとうや梅の木なども育っています。

Maruta
東京都調布市深大寺北町1-20-1
☎042-444-3511
営業時間:12:00~15:00(LO13:00)※ランチは土・日・祝のみ、ディナー 一部18:30~、二部19:30~(ドアオープンは30分前)
※完全予約制
定休日:月・火
https://www.maruta.green


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●情報は、FRaU2019年5月号発売時点のものです。
Photo:Hide Urabe Composition:Aiko Sugiyama Design:Yoshinori Saito(PLAYROUND)

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