大人の発達障害、コミュニケーション問題はどう回避できるか

「視覚化」と「言わざる」がコツ
からだとこころ編集部 プロフィール

問題が深刻なのは、むしろ軽症の場合

適応の障害などは、重症の人より軽症の人の方が問題化しやすい、ということが専門医の間ではよく知られている事実です。

軽症といっても、本人の問題や困難が決して軽いわけではありません。これまで発達障害に気づいていないので、療育などは受けていません。原因も対処法もわからずに戸惑い悩んでいます。人生のステージが進んで、自らを取りまく社会構造が複雑になっていくにしたがい、さまざまな不適応が生じているのです。

たとえば、場にそぐわないことを言っても、学生時代には「おもしろいやつだ」と笑われるくらいですまされることもあります。しかし、それさえ、苦痛な人もいるでしょうし、からかいやいじめの原因にもなるでしょう。

職場ではさらに深刻です。仕事が覚えられない、臨機応変に対応できないと、トラブルを生じ、それが続くと、本人の評価も著しく下がってしまいます。上司や取引先などを巻き込んだトラブルの場合には、本人のキャリアが受けるダメージは計り知れません。私生活では恋愛や結婚がうまくいかない人もいます。

自閉スペクトラム症の特性の現れ方とは?

大人が診断されることの多い自閉スペクトラム症ですが、具体的には、どのような特性があるのでしょうか?

主な特性には、先の展開を予想できなかったり、人の気持ちが推量できない「イマジネーションの障害」や、話し言葉の理解が不得手だったり言語以外のメッセージがやり取りできない「コミュニケーションの障害」、そしてこだわりや変化を嫌う「同一性保持の傾向」があります。

そのほか、デジタル的な思考、驚異的な記憶能力、知覚過敏、衝動性なども挙げられます。

これらの特性は、自閉スペクトラム症の人すべてに、同じ程度で見られるわけではありませんから、当然問題の出方や程度も変わってきますので、注意が必要です。特性の現れ方が軽微で、社会生活に支障がなければ、発達障害とは言いません。

では、実際にどのような問題が生じるのでしょうか? 実社会上で問題が生じやすい「コミュニケーションの障害」で見てみましょう。