2019.03.26
# カーリング # オリンピック

カーリング界のキーマン・両角友佑が目指す「新たな道」

コーチと選手の二刀流へ
竹田 聡一郎 プロフィール

女子カーリング選手も恵まれているわけじゃない

―中部電力でのコーチの経験が、新しいチーム作りにプラスに働く部分があると思うのですが?

「それほど大きなメリットではないのですが、彼女たちと一緒に練習していると、『そうか、こんな練習があったな』とか『あ、このトレーニングは今も効くかもしれないな』といった、これまでやってきたことの復習ができるのはありがたいです。ただ、新チームでそれをやるなら、その練習がそれぞれの選手に合うかどうか見極めないといけないですね」

―失礼ながら、両角選手は言葉で伝えるコミュニケーションが不器用なほうだと思うのですが、その辺についてはどう考えていますか?

「確かにそうですね。でも、コーチとしてミーティングを重ねていると、どういう言い方をしたらどう響くかということがわかってきます。日々、それが蓄積できているのは大きいですね。新しいチームが動き出したら、かなり多くのことを伝えないといけないので、その下地がコーチの経験を通してできているなら嬉しいです」

平昌五輪にて。試合前の準備は熱心に行うタイプだ

―少し気の早い質問かもしれませんが、新チームが結成したら目標はどこに?

「まずは全日本に出ることですね。そのためには積極的にツアーへの参加も考えています。日本選手権や世界選手権、五輪ももちろん目指しますが、まずは男子チームが定着することを目指します」

―定着というと?

「女子のカーリングって、かつてはチーム青森の一強で、サポートを受けて競技に専念できるのは彼女たちだけでしたが、ソチ五輪や平昌五輪の前後で、スポンサーである企業のサポートを受けて活動できるチームが増えて、現在、4チームになりました。彼女たちの活躍で競技力も上がっています」

―世界選手権、五輪の舞台でもロコ・ソラーレが、メダル獲得という結果を出してくれました。

「本当に素晴らしいことです。ずっと近くでみてきたので嬉しいです。日本の女子カーリングの競技力は確かに上がっています。でも、この8年、トップ4以外で、新たに本当に世界を狙える、そのためにシーズンを通してチャレンジできるチームが増えたかと言えばそうではない。環境面で停滞とは思わないですけれど、目覚ましい発展はないのが現状です。

よく『女子カーリングは恵まれている』と聞きますが、恵まれているのは実質10数選手だけなんですよね。若い選手が学校を卒業してからもカーリングを続けたければ、トップレベルで競うことができるその4チームに入らなければいけない」

―その環境面も両角選手は改革していきたいわけですね。

「僕がカーリングのためにできることは、これまでオリンピックに出ることだったんですけど、次の目標は、一人でも多くの選手がカーリングを続けることができる環境を作ることです。そうすれば、『カーリング選手をやりたい』という子も増えるでしょう。その結果、競技力も上がる。そうなればいいと思っています」

―今回の世界選手権の男子日本代表となっている北海道コンサドーレ札幌の阿部晋也選手が、前身の「4REAL」を2012年に立ち上げたときも、「男子は、1チームだけじゃなく(SC軽井沢クラブの一強ではなく)、競争が必要だ」とコメントしていました。

「そうなんです。実際に、彼らの存在が、僕らを押し上げてくれた面もあるので本当に感謝しています。今度は逆に、僕が彼らにプレッシャーをかけないといけないし、新しいチームを作ることで、男子カーリングも選手を続けられる受け皿が増える。そんなイメージを描いています」

―ありがとうございました。新チーム結成したらまた話を聞かせてください。

「ぜひぜひ。新チームでもせっせとストーンチェックしていると思いますが、また遊びに来てください」

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