昨年12月の軽井沢国際で、フィフス兼マネージャーの清水絵美と共にストーンチェックに集中する両角友佑コーチ(撮影/竹田聡一郎、以下同)
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カーリング界のキーマン・両角友佑が目指す「新たな道」

コーチと選手の二刀流へ

デンマーク・シルケボーで行われたカーリング女子世界選手権。日本代表の中部電力は4位という成績で世界への挑戦を終えた。

コーチボックスには、平昌五輪で選手としてアイスに乗った両角友佑の姿があったが、彼は来季、コーチ業と並行して選手としての活動を再開させるようだ。

男女共に出場し、女子が銅メダルを獲得した平昌五輪以来、注目を集めるようになったカーリングだが、競技をめぐる環境は他競技にくらべて決して恵まれているとはいえない。そんなカーリングの将来について、ライターの竹田聡一郎氏が両角コーチにたっぷり聞いた。

 

「命を削って」まっとうしたストーンチェック

―世界選手権、お疲れ様でした。

「楽しかったですよ。まずは(決勝トーナメント進出の)6枠にも残り、初めての世界選手権のプレイオフで戦えました。チームにとって大きな経験になりましたね」

―コーチ就任からわずか半年で世界4位という素晴らしい結果を残すことができました。来季以降もコーチは継続するんですか?

「そうですね、そういう話は中部電力さんとはしています」

―来季はどんな進化や変化を狙っていますか?

「もっと良くなるといいですね。去年は中部電力という既にできている箱に僕が入っていった感じですが、来季はスタートからもっと変われる部分が見えていて、それが伸びしろになると願っています」

―コーチ・両角の活躍はカーリング界にとってはポジティブなことですが、スキップ・両角の始動を待っているファンも多いと思います。

「中部電力さんには、『コーチも精一杯努めますが、来季以降は選手活動もしていきたい』と話して、理解してもらっていますので、シーズンもひと段落した今、動き始めないといけないですね」

―そうすると来季は二足の草鞋をはくわけですね。

「世界的に選手をやりながらコーチをする人は増えているんですよ。たとえば、カナダではグレン・ハワードというレジェンドが現役でありながらコーチもしていて、さらに若い世代の選手では、ジョン・エッピングも指導者としても活動しています。だから日本にも今後、そういうカーリングの雇用が増えるといいなと思っています。

幸い、中部電力は来シーズンは日本代表チームなので、ナショナルコーチのJD(ジェームス・ダグラス・リンド)もついてくれます。彼とも相談しながらのシーズンになると思います」

―コーチとして半年間過ごした経験の中で、選手としての自分に還元できるのはどのあたりでしょう。

「やはりチームに帯同していると、日本だけでなく、世界のアイス(滑り具合などの氷の状態)やストーン(のくせなど)をチェックができます。特にベルン(スイス)、ロイドミンスター(カナダ)などのアイスは初めてだったので、貴重な経験になりました」

―2月の日本選手権では「命を削ってストーンチェックしている」という発言もありました。

「みなさんは『両角コーチ、献身的ですね』と言ってくれますが、僕にとってストーンチェックは、選手時代から勝つための自分の役割だったし、自分に向いている仕事だと思っているので苦にはなりません。夜、遅いのは辛いと言えば辛いですが、試合中、コーチが眠たくても選手のパフォーマンスは変わらないので」

日本選手権の試合中は「コーチに、少なくとも僕にできることはそんなに多くない」とリラックスしていた

―世界選手権でも、毎晩のストーンチェックをしていたんですか?

「はい、フィフスでマネージャーの(清水)絵美と一緒に。僕ばかりお褒めの言葉をいただくのですが、彼女も重要なサポートをしてくれています。それをぜひ皆さんに知ってもらいたいです。

また、今回は特に、各国のコーチ陣が豪華だったので、毎晩楽しみでした。最後のほうは『ああ、ストーンチェックも、もう終わりか』と寂しかったくらいです」