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長寿ナンバー2とワースト11が同居する川崎市から何を学ぶか

さまざまな視点から考えてみた

全国的に見ても不思議な町

厚生労働省が2018年7月に公表した簡易生命表によると、2017年の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性は87.26歳で過去最高を更新している。喜ばしい限りだが、都道府県別に見ると、第1位の滋賀県と最下位の青森県では男性は3.11歳、女性は第1位の長野県と最下位の青森県では1.74歳の開きがある。

同じ日本で、なぜこれほどの「寿命格差」がでるのだろう。この手のデータが公表された後は決まって、ご長寿県の郷土料理や習慣が注目されるが、平均寿命の地域差には、実はもっと気になることがある。同じ都市のなかでの地域間格差だ。

都道府県別平均寿命では、男性が5位、女性が17位で、特筆すべきことはないように見える神奈川県だが、2018年1月に発表された市町村別の平均寿命(2015年)では、トップ10に横浜市と川崎市の各区がずらりとランクインしている。

市町村別平均寿命 上位10
男性
1 神奈川県横浜市青葉区83.3
2 神奈川県川崎市麻生区83.1
3 東京都世田谷区82.8
4 神奈川県横浜市都筑区82.7
5 滋賀県草津市82.6
6 大阪府吹田市82.6
7 大阪府箕面市82.5
8 長野県大町市82.5
9 奈良県生駒市82.4
10 神奈川県川崎市宮前区82.4
女性
1 沖縄県中頭郡北中城村89.0
2 沖縄県中頭郡中城村88.8
3 沖縄県名護市88.8
4 神奈川県川崎市麻生区88.6
5 石川県野々市市88.6
6 神奈川県横浜市都筑区88.5
7 熊本県菊池郡菊陽町88.5
8 東京都世田谷区88.5
9 神奈川県横浜市青葉区88.5
10 神奈川県川崎市宮前区88.4

この調査は5年に一度行われるが、前回2010年では、男性の2位が川崎市宮前区で82.1歳、3位が横浜市都筑区で82.1歳、8位が横浜市青葉区81.9歳で、ベスト10に神奈川県の3つの地域がランクインしていた(女性は入っていない)。

 

つまり、市町村別でみると横浜市と川崎市は、日本一の長寿地域ということになのである。これはちょっと驚きではないだろうか。特に川崎市は、工業地帯というイメージが強く、昭和の頃には「川崎ぜんそく」と呼ばれる公害病まであった。しかし、今では大転換を果たしたのだ。

ただ、後述の通り、改善しつつあるも転換しきれていない地域もある。川崎市川崎区だ。

市町村別平均寿命のワースト50には、川崎市川崎区の男性が78.2歳で、下から数えて11位に入っている。トップ4の麻生区の83.1歳との差は4.9歳。都道府県別の1位と最下位の差よりもさらに大きなこの差は、どこから生じるのだろうか。

筆者は川崎市宮前区住まい。川崎市に住む一人の住人として、この問題を様々な視点から比べて、考えてみた。