Photo by GettyImages

4月「異例の訪米」で安倍首相が仕掛ける秘策の中身

「貿易協議」中国の次は日本に矛先が?

「綱渡り」の日程でも訪米する理由とは

「朝日新聞」(3月21日付朝刊)は「首相、4月下旬訪米で調整―異例の3カ月連続首脳会談」と報じたが、スクープである。現在、日米外交当局間で日程調整が行われているが、ほぼ間違いなく実現するはずだ。

来週後半に行われる米中通商・貿易協議はホットコーナーに差し掛かり、かつ日米貿易閣僚協議が来月から始まろうとする最中での日程調整は、まさに綱渡りである。

それだけではない。日本側の事情で言えば、4月30日午後に宮中正殿松の間で天皇陛下の退位(退位礼正殿の儀)が、そして5月1日午前には皇太子殿下の即位(剣璽等承継の儀、即位後朝見の儀)が執り行われる。

そうした中で、当面の世界経済の行方を決定づける米中貿易閣僚級協議が開催されるのだ。ロバート・ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とスティーブン・ムニューシン財務長官が北京を訪れ、28、29両日に習近平国家主席の側近、劉鶴副首相と米中合意を目指した最後の詰めを行う。

そのデッドラインが4月末なのだ。中国側の内情に目を転じれば、4月25~27日、習主席がホストを務める「一帯一路サミット」に数十ヵ国の世界の首脳が北京に蝟集するからだ。習近平指導部にとって、なんとか同サミット開催までに米中合意に漕ぎ着けたいというのが本音である。

 

最終合意に至らなければ、劉鶴副首相はその翌週にワシントンに出向き、再協議に臨む構えである。それほど現下の中国経済減速はトランプ米政権による制裁関税策が効いているのだ。

それでも中国が土壇場まで最終合意を目指すのは、今年が米中国交回復40周年記念の年であり、習主席が最速で5月の米国公式訪問の実現を強く願っているからに他ならない。

ドナルド・トランプ大統領は2017年11月のアジア歴訪最後の訪問国に中国を選び、一方の習主席は中国近代史上初めて北京市内の紫禁城で晩餐会を主催するなど異例の厚遇でトランプ大統領を歓迎した。

今度は自分が米側から最大級の接遇を受ける番だというのである。そのためにも通商・貿易協議の”一応の決着”は絶対に必要なのだ。それが実現すれば習主席の威信は守られるということである。

だが、交渉責任者である劉副首相はライトハイザーUSTR代表相手に大きな妥協を強いられることになる。公式訪問という一大ショーを演じる以上、習氏は米側の歓待を確保しなければならず、そのためにはより大きな妥協を迫られるからだ。

要は、習近平国家主席にとって正念場ということである。では、安倍晋三首相は今、どのような状況にいるのか。国会会期中に自らが訪米してトランプ大統領と膝詰め談判する必要があるイシューは何なのか。

 
この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら