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フランスの「街並み」が、日本とここまで違う意外なワケ

なぜベランダは3階と5階なのか
横川 由理 プロフィール

フランス人はなぜ「テラス席」に座るのか

次にパリのエスプリ溢れるブティックを覗いてみましょう。

〔photo〕iStock

店の外観、内部の壁紙の色や模様などフランス人の感覚には、日本人にはない独特な雰囲気が感じられます。さらに小物や写真を飾るセンスの良さにうっとりすること請け合いです。気の利いたブティックは雑貨やお菓子など、ちょっとしたお土産を買うのにもピッタリでしょう。

中には実際のアパルトマンに見立てたデコレーションを施し、リビングやキッチン、寝室などシーンに応じたライフスタイルの工夫を随所に見ることができます。「こんな家に住めたら」と想像しながら、見て回る楽しさもまた格別ですね。カフェを併設していることもありますから、のんびりと過ごすこともできます。

確かに日本にも素敵なブティックはたくさんあるでしょう。実際に売っている商品を見ても、日本の方が質がよかったり、便利なものもたくさんあると思います。でも、何かが違うのです。多分、ディスプレイのセンスかもしれません。

パリには古い建物というが外観があって、経営者が独自のデコレーションを考えます。これが日本では、目にしないようなセンスなのですね。そのセンスの良さが「この商品を手に入れることで、パリジェンヌのように素敵な暮らしができる」と、新し物好きな日本人の購買意欲を掻き立てるのでしょう。

たとえば、素敵な服を着た日とジャージ姿で過ごしている自分を想像してみてください。服を着ている本人は同じでも、素敵な服を着ている自分の方がより美しく、生き生きと見えるのではないでしょうか。

お食事も同じ。普通のお皿に、何も気にせずただ料理をよそっただけの食事と、素敵なお皿に美しく盛り付けた食事では、たとえ同じお料理を盛り付けた場合であっても、全然違って見えるはずです。その見た目が美味しさに影響を与えるわけですね。

そう、きっとパリで販売されている商品が素敵に見えてしまう理由のひとつに、パリの街がきれいだからという理由や、センスのよい飾り方にあるのではないかと個人的に考えています。

さて、観光に疲れたらカフェで一休み。パリのカフェといえばテラス席に座りましょう。

日本でもオープンカフェが多くなり、テラス席でコーヒーを飲んだり、食事ができる場所が増えてきましたね。パリっ子はテラス席が大好き。夏はもちろん、真冬でもガスストーブのそばを陣取って、おしゃべりに花が咲きます。

パリのカフェでは座る場所によって、コーヒー代が異なります。カウンターで立って飲むのが1番安く、2番目に安いのは店内のテーブル席。テラス席のコーヒー代は1番高くついてしまいますが、もっとも人気の高い席です。テラスは満席なのに、店内はがら空きということも珍しくありません。

 

余裕があるなら美術館の中のカフェへ行ってみましょう。パリ市内にあるのにもかかわらず、都会の喧騒から離れて隠れ家的カフェでゆっくりくつろぐことができます。もし、休憩しながら観光を楽しみたいなら、モンパルナスタワーの上にあるカフェ・レストランがお勧めです。パリのすばらしい景色を眺めながらのコーヒーブレイクも格別なものがあります。

テラス席に座って街行く人を眺めながらコーヒーを飲んでいると、自分もおしゃれな人に仲間入りしたように思えてくるから不思議なものです。フランス人によると、おしゃれやセンスは年齢を重ねると洗練されてくるそうです。周りの目を気にせず、素敵な生活を送りたいものですね。