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6000万円の住宅ローンを組んだ30代「高給・共働き夫婦」の末路

「理想の住宅ローン」は必ず見つかる
深田 晶恵 プロフィール

住宅ローン返済を阻む5つの「壁」

物件価格が上昇、金利も低下して「借りすぎリスク」が高まる中、私が心配しているのは「住宅ローン貧乏」に陥る人が増えるのではないかということです。

〔photo〕iStock

マイホームを購入する世代が置かれている状況は、楽観視できるものではありません。

社会保険料や税金の負担は年々増しており、給与の手取り額は右肩下がり。給与年収700万円のケースでは、手取り額は過去 15 年間で50万円も減っていることをご存知でしょうか(壁①)。厚生労働省の「平均貯蓄額推移」調査のデータを見ると30代の平均貯蓄額は右肩下がりとなっており、手取り収入の減少が家計に影響を与えている可能性は高そうです。

共働きカップルは世帯収入が多いため、「手取り収入が多少下がっても返済できるだろう」と考えるかもしれませんが、妻の出産により収入がダウンすることも念頭に置いておかなくてはなりません(壁②)。

 

通常、妊娠すると残業を控えるようになるのでその分だけ収入は減ります。さらに産休・育休中は、原則として給与はストップします。

社会保険から給付金を受け取ることはできますが、出産前の給料の3分の2程度しかカバーできませんから、収入の大幅ダウンは避けられません。さらに、産休・育休を乗り切ったとしても、育休明けに保育園のお迎えなどの都合で時短勤務を選択すれば、給与は出産前と比べて3割程度は下がると考えておく必要があります。

子どもが生まれれば、もちろん支出もアップします(壁③)。

おむつ代やミルク代その他で月2万円程度かかりますし、保育料も必要です。加えて、子どもの大学進学に備えるなら、教育費を計画的に貯めていくことも考えなくてはなりません。一般的には、子ども1人あたり大学進学までに300万円程度用意しておくのが目安です。

高校卒業までの間の教育費を支出しながら貯蓄もしていくのは簡単ではありませんが、大学進学資金を作っておかなければ、子どもに奨学金の返済を背負わせる可能性が高くなります。

また、30 代で住宅ローンを組み、返済期間を 35 年とした場合、完済は65歳以降となることにも目を向けるべきです(壁④)。

最近は「70 歳に雇用延長」の政策が話題になっていますが、仮に70歳まで働き続ける環境が整ったとしても、 60 歳以降は収入ダウンが避けられないでしょう(図2)。

さらにもう一つ、金利上昇リスクについても考えておかなければなりません。

変動金利型ローンの場合、金利が上昇すれば利息額がアップしますから、家計の負担は重くなります(壁⑤)。