〔photo〕iStock
# 住宅ローン # 不動産

6000万円の住宅ローンを組んだ30代「高給・共働き夫婦」の末路

「理想の住宅ローン」は必ず見つかる
高年収の共働き世帯「パワーカップル」をターゲットにした新築マンションが巷にあふれている。都心の6000万円~8000万円の物件を住宅ローンを使って気軽な気持ちで買ってしまう彼らは、実は取り返しのつかないリスクを抱え込んでいる可能性がある。『住宅ローンはこうして借りなさい 改訂7版』の著者で生活設計塾クルー取締役の深田晶恵さんは、そんな共働きカップルの安易な「借りすぎ」に警鐘を鳴らしている。深田さんに共働き夫婦の住宅ローンのリスクと正しい借り方を語ってもらった。

「超低金利」の落とし穴

日銀がマイナス金利政策を導入したのは、2016年2月のこと。以後、住宅ローン金利は歴史的な低水準で推移してきました。

〔photo〕iStock

住宅ローン金利が歴史的な低さになっていると聞けば、「おトクに住宅ローンを組めるのでは?」と期待がふくらむかもしれません。

しかし、住宅ローン金利の低下には、 実は「良い面」だけでなく「悪い面」もあります。

金利が低いということは、毎月の返済額が少なくなるため、多額のローンを組むことができます。これは借り手にとって良いことに思えるかもしれませんが、「月々これくらいの額なら返せるだろう」と目先の負担感だけに気を取られ、つい「借りすぎ」になるリスクがひそんでいるのです。

 

実はこの数年、首都圏の物件価格は上昇傾向が強くなっています。下のグラフ(図1)は「首都圏の新築マンション平均価格」の推移です。2000年代前半は4000万円前後でしたが、2013年頃から高騰し始め、2017年には6000万円近くに上昇しています。

私は 20 年以上にわたって住宅購入の相談を受け続けているので「6000万円のマンションは相当高い買い物」と感じますが、はじめてマイホームを購入する30 代共働きカップルは「6000万円は高いけれど、手が出ないほどではない」と考える人が多いのです。

これは昨今の共働きカップルが、結婚後に新生活を賃貸マンションでスタートしたときに「共働きだから」と比較的高額な家賃の物件を借りており、マイホーム購入を検討する際はその家賃をベースに返済額を考えるからです。

たとえば6000万円の新築マンションで頭金を500万円入れ、5500万円の住宅ローンを組むとします。変動金利0・625%、返済期間 35 年とすると、毎月の返済額は約 14万6000円。家賃を 16 万円くらい払っている共働きカップルなら、管理費や修繕積立金を考慮しても「住居費は今までとそう変わらないから買える」と判断するわけです。