「A判定でも落ちる…」今年も私大入試の難化が止まらなかったワケ

背景に、受験事情の変化アリ
田中 圭太郎 プロフィール

来年はさらに難化?

指定校推薦を積極的に活用するほど安全志向が高まった背景には、これまでの合格者数の抑制に加えて、2021年に控えた大学入試改革の悪影響がすでに出始めていることが挙げられる。

大学入試は2021年の試験で、大学入試センター試験に代わって大学入学共通テストが導入される。英語では外部検定試験の導入も始まる。つまり、来年の受験生は、翌年から受験の制度が大きく変わるため、「浪人したくない」という思いが強く、安全志向が強まる可能性がある。その傾向が、すでに今年の受験生にも見られたのだ。

安全志向が強まったきっかけは、入学定員管理の厳格化であることは間違いない。さらに昨年には「地方創生」の一環として、東京23区内にある大学は今後10年間定員の増加を認めないことなどを盛り込んだ法律が成立した。

 

こうした政策の悪影響と、大学入試改革が重なり、来年は首都圏の私立大学のさらなる難化が予想される。そして再来年以降はどうなるのか、まったく予想もできない状況だ。

国の政策に振り回された受験生はたまったものではない。大学通信の安田常務は、厳しい状況を理解した上で、志望校の合格に向けて勉強した方がいいとアドバイスする。

「入学定員管理の厳格化は、大変罪作りな施策だったと思います。一番迷惑を被ったのは、首都圏をはじめとする大都市圏の受験生です。思いつきのように始まった政策で、受験生が受けている迷惑は計り知れないものがあります。

しかし、不安になりすぎるのも問題です。どの偏差値帯の大学も難化していますので、受験生は安全策ばかり考えて入れる大学を選ぶよりも、自分が入りたい大学を選んでチャレンジした方がいいのではないでしょうか」

今年の受験生は「追加合格」に注意

ところで、入試はほぼ終わりを迎えたが、志望校に合格できなかった受験生も、3月末までは追加合格の可能性がある。

私立大学では昨年から補欠合格が多く出るケースが目立っている。補欠合格候補者の通知をもらっている人はもちろんだが、中には大量に入学辞退者が出た大学で、補欠合格の候補者になっていなくても追加合格するケースがあるという。昨年にも増して難化が進んだ今年は、大学が補欠合格候補者を多めに出している可能性もある。

合格を通知する方法は、大学によって違う。電話をかけてくる大学もあれば、郵送やメールで連絡が来る場合もある。昨年は追加合格を出したものの、届いた郵便物を放置するなどして、気づかなかった受験生もいた、と大学関係者は話している。過度な期待はできないにしても、補欠合格や追加合格の可能性は頭に入れておいた方がよさそうだ。