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「定年後破綻」を回避するため、今スグやっておくべき4つのこと

今日からでも改善できます
「老後の三大不安は貧困・病気・孤独」だとよく言われるが、その不安が眼前に迫ってくるのが定年前の時期だ。定年になれば給料がなくなる。仕事仲間もバラバラになる。気力体力も衰える。ひょっとすると自分も「下流老人」「暴走老人」の末路を辿ってしまうのだろうか? そんな不安が尽きないのだ。

しかし、そうして実際に老後貧困化してしまう人と、三大不安とまるで無縁の老後ライフを満喫できる人には、ほんのちょっとの差しかないと、経済評論家として企業・市場分析や社会制度に精通する加谷珪一氏は、このほど出版した『定年破産絶対回避マニュアル』で言う。では、その分かれ道はどこにあるのだろう?

現役時代にはそれなりの生活ができていたにもかかわらず、定年後、一気に経済状態が悪化して生活破綻する人が増えている。こうした事態に陥ってしまうのは、一生涯で得られる収入に対して現役時代の生活がメタボだったことが最大の原因である。

そうなってしまった責任が本人にあるのは明白だが、すべてを自己責任で片付けてしまうのも少々酷だ。定年後は引退して退職金と年金で暮らすという、従来型の価値観に基づいた諸制度が現状と合わなくなっており、社会の変化に自身のライフスタイルをうまく適応させないと、この問題は誰にでも起こる可能性がある。

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寿命100年時代を生き抜くために

よく知られているように、日本は世界有数の長寿国である。2050年には女性の平均寿命が90歳を超える見通しであり、日本人にとって寿命100年というのは決して大げさな話ではない。だが、日本の諸制度は寿命100年時代には十分に対応できていない。

これからの時代は、若い時は勉強に励み、会社に入って仕事に邁進し、定年後は引退するという従来型の価値観をすべて捨て去る必要がある。生涯にわたって労働を続けることが当たり前となり、年金はあくまでも賃金の補完という位置付けになるだろう。

 

政府も徐々にではあるが対応を進めており、近い将来、公的年金や医療、雇用の諸制度は、長寿を前提にした仕組みにシフトする見通しである。だが政府にだけ頼っていては対策が後手に回るのは明らかであり、可能な限り、自身の力で、時代に合ったライフスタイルを確立する必要がある。

筆者は、寿命100年時代を上手に乗り切る最良の方法は、「一定の経済力を確保すること」と「制度をよく知ること」の2つだと思っている。そんな話は当たり前ではないか、とは考えないで欲しい。

多くの人がその当たり前を実践できていないのが現実である。

日本には不完全ながらも、公的年金や国民皆保険による医療制度、介護保険制度など、社会保障サービスが一通り揃っている。欧米各国、特に欧州と比較すると、残念ながらその水準はかなりお粗末というのが現実だが、ないよりはずっとマシである。

こうした制度が維持されている限り、一定の自己負担で、相応のサービスを受けられるので、平均的な経済力があれば、そう簡単に家計が破綻することはないだろう。

つまり、ある程度のお金があれば、そして、制度に関する最低限の知識があれば、公的なサービスをうまく使いこなし、充実した生活を送ることは十分に可能である。言い方はよくないかもしれないが、たいていの問題は、ある程度のお金と知識で解決できるのだ。

では具体的にどのようなことを心がければよいのだろうか。