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精度90%超え! 「顔だけで遺伝子性疾患を推定」するアプリの驚愕

スマホのカメラがセカンドオピニオンに
機械学習アルゴリズムなどを活用して、先天性の神経発達障害を持つかどうかを顔写真で特定する──。2019年1月7日「Medicine」誌に掲載された論文でこのスマートフォンアプリ、 “Face2Gene”の現状と問題点についての研究が発表されました。
医師はこの技術にのみ頼ることはありませんが、セカンドオピニオンとして活用することを想定しています。

神経発達障害を持つかどうか特定

FDNA社のCTOであるYaron Gurovich氏が率いる研究者たちは、216種類もの症候群と診断された症例画像1万7000枚以上をアルゴリズムに学習させました。

新しい人の顔画像が表示されたとき、アプリの診断推測は約65%のケースで正しいものでした。また、複数の予測を検討した場合は約90%の精度だったとのことです。

FDNAは、新しい遺伝的変種を選別し、そしてその治療を助けるためにこの技術を開発したとのこと。

現在このFace2Geneのアプリは医療専門家に無料で利用可能であり、その多くはめったに見られない遺伝性疾患を診断するための、一種のセカンドオピニオンとして活用されています。

face2genehttps://www.face2gene.com/ より

たとえば、FDNAの最高医療責任者のグリップ氏は、このアルゴリズムを実際の診断に役立てました。診断を受けた少女には際だった身体的特徴は見受けられませんでしたが、4歳にもかかわらず、ほとんどの乳歯を失い、永久歯がすでに生えていたのです。

グリップ氏は、遺伝子の突然変異によって引き起こされる小児における早期の歯の成長を説明する症例報告を読み、少女がウィデマンスタイナー症候群という遺伝性疾患ではないかと推測。

そして診断への自信を高めるために、この少女の写真をFace2Geneにアップロードしました。

すると、ウィデマンスタイナー症候群が検索結果の上位に現れたのです。

その後、標的DNA検査で少女の疾患を実際に確認。AIのアプローチが可能性を絞り込むのに役立ち、高価な多遺伝子パネル検査のコストを節約できました。

生活にじわりと馴染む「顔認証」

モバイルやPCといった個人のデバイスのみならず、公共の空間にも顔認証の技術は少しずつ私達の日常へ姿を見せています。

face authenticationPhoto by iStock

中国では「紙の取りすぎ」を防止すべく公衆トイレに顔認証が。ロンドンの市街地でも防犯目的での顔認証を試験運用中。

日本国内ではセブンイレブンが2019年秋に顔認証対応のATMの導入を検討しているほか、NTTドコモがMECを活用した顔認証システムを試用中。帯域を最適化することでより円滑なサービスの提供を目指しています。

官民を問わず、各国各社が顔認証テクノロジーの実用に意欲的です。

精度に伸び代はあるが……

現状では顔認証による診断精度は、残念ながら100%とは言えません。

「Face2Geneのダウン症候群に対する認識率は、ベルギーの白人の子供たちの間で80%でしたが、黒人のコンゴの子供たちではわずか37%」とのこと。

現時点では、民族的な偏りが発生する可能性があるのが大きな課題です。

しかしこのアルゴリズム精度は、インプットするデータを広く厚くすれば問題なく向上していくと示されています。