陰謀論じゃない、ユダヤ人が世界史に与えた影響

ゾンバルト先生が、資本主義の根本を説明します
石井 徹 プロフィール

ユダヤ人が勉強するのは宗教のせい?

「知識」を身に着けることはいいことだと、みんなわかっています。わかっているけれど、なかなかできません。しかし、小さい頃から宗教として教えられたら条件反射的にできるのでしょう。

 

高校生の時、英作文の問題で「教育ママ」という箇所を英文にできませんでした。辞書で調べたら、”Jewish mother”と書かれてあってギョッとしたことがあります。

その時は、ユダヤ人の母ちゃんは勉強しろとうるさいのかと思ったのです。しばらくして「あれ? おかしいなあ」と思ったのです。ユダヤ人は頭がいいということになっています。だったら母ちゃんに言われなくても勉強するだろうし、勉強できるだろうと。

ある時、ユダヤ人ネットワークに詳しい友人に、「ユダヤ人って生まれつき頭がいいのかな」と訊いたことがあります。

するとその友人が、「本当に生まれつき頭がよければ、もっと中東問題をうまく解決していると思わないか」と言いました。なるほど、と思いました。勉強したから頭がよく見えるのであって、生まれながらに頭がいいかどうかはわかりません。

イラスト:名波優太

それでは私たちと同じではないか、ということになるでしょう。

しかし勉強することが宗教に入っていたら強い。習慣になりますし、何しろ良いことなのですから。「主知主義、恐るべし」です。

なぜ「小国」オランダが繁栄したか

もう一つのキーワードは「無敵艦隊」です。かつて世界一と謳われたスペインの艦隊です。イギリス軍に海戦で負けるのですが、世界史の教科書ではまるで偶発的に負けたように書いてあります。そうでなくてもイギリスなどの新興国が急速に国力を増し、その象徴として無敵艦隊の敗北が書いてあるように読めます。

しかし、原著を読むと本当の理由が書かれてあります。それは「お金」です。資産の移動です。

イラスト:名波優太

16世紀の前半に絶好調だったスペイン・ポルトガルが、なぜ16世紀後半になると急激に弱くなったのか昔から不思議でした。

何しろアメリカ大陸、アフリカ、インド、最終的にはフィリピンまで植民地にしたわけですよね。日本まで来てカステラと金平糖作っちゃった国です。アメリカ大陸からは銀や金がザクザク、アジアから香辛料がたくさん入ってきたはずです。

スペイン・ポルトガルに代わって絶好調になったのが、ご存知の通りイギリス、オランダです。とても不思議なのがオランダです。スペインの領地だった国です。

オランダでは1568年に独立戦争が起きています。要は国家としてはかなり若い国です。それが突然、東インド会社なんか作って、いつの間にかインドネシアや台湾まで植民地にしてしまう。

昔から不思議だったのです。小さい国土で、干拓しないと農地ができない国です。そんな小さな国が、なぜ急に力を持ったのでしょう。