話題の「二つ折りスマホ」が普及しないと言えるたった1つの理由

「5G」時代の切り札は別にある
西田 宗千佳 プロフィール

折りたたみ方の違いで個性を演出

サムスンが発表したのは、「Galaxy Fold」だ。

本のように画面が内側に「閉じる」構造になっていて、正方形に近い7.3インチのディスプレイを備えたスマホとして使える。閉じたときには大型ディスプレイは内側に隠れるため、外側に別途備えている4.6インチのディスプレイを使う構造になっている。

【写真】サムスンの

サムスンが発表した二つ折りスマホ「Galaxy Fold」。画面中央部が内側に折れる「谷折り」タイプ。価格は1980ドル。4月26日より発売予定(日本での発売は未定) 

他方、ファーウェイが投入する「HUAWEI Mate X」は、Galaxy Foldとは真逆の構造になっている。

6.8インチのディスプレイを「谷折り」ではなく「山折り」にする構造で、ディスプレイがつねに表側に出ているのだ。

狙いは「薄型化」にある。

折りたたむ場所は中央ではなく、いくらか片寄っている。カメラなどの部品を片側に寄せ、あえて出っ張らせることで、折りたたんだ部分が本体にめり込むような構造にすることで、折りたたんだ状態での厚みの軽減を図っているのだ。

ファーウェイは本体の厚さについて、「他社製品は17mmだが、Mate Xは11mm」と、自社製品の薄さを強調している。

【写真】フェアーウェイの

ファーウェイの二つ折りスマホ「HUAWEI Mate X」。折ったときにディスプレイが表側にくる「山折り」タイプ。価格は2290ユーロで、今年中期以降の発売を予定

普及の前に立ちはだかる「価格」の壁

実際に目にすると、どちらもやはりインパクトは大きい。

二つ折りのスマホという発想は、実質的に「タブレットのメリットを殺さずに、いかに持ち運びやすさを向上させるか」という試み、といっていい。

一般的なタブレットよりはさすがに小さいが、画面はかなり見やすくなる。なにより、こうした目新しいギミックのある製品は、シンプルにワクワクするし、所有欲をそそられる。

一方で、これらの製品が大ヒットし、二つ折りスマホが一般的な存在になるか……と言われたら、それは難しいだろうと率直に感じる。

いくつかの大きなハードルがあるからだ。

まず立ちはだかるのが、「価格」の壁だ。

今回発表された二つ折りスマホは、どちらも非常に高い。Galaxy Foldが1980ドル(約22万円)、HUAWEI Mate Xは2290ユーロ(約28万円)と、スマートフォンとしては驚くほど高額だ。

2017年頃から、iPhoneをはじめとするハイエンドスマホは10万円近い価格になっており、「高すぎる」と批判を受けてきた。だが、二つ折りスマホは、さらにその2倍の金額設定になっている。