北朝鮮「統一バブル」への期待が、いまの韓国経済を支えている可能性

文政権が強気になるのもわかる
宿輪 純一 プロフィール

さらにいうならば、ウォンの対ドルレートと、対円レートを比べると、大変興味深いことに、対ドルレートの方が戻りが大きい。つまり、世界と日本を比べると、世界から韓国へ投資が増えている可能性が高い(日本からの投資はまずは当然減少し、その後も国際水準よりも低いということになっている)。

その理由は、北朝鮮との統一で韓国景気が良くなるという「バブル」の様相を呈していることにある。世界中をみても、良い投資先が不足しており、世界の投資家が北朝鮮バブルに投資しようとする向きが多いのも理解できる。

その結果として、韓国は経済のファンダメンタルズが弱くなっているにも関わらず、通貨も株式も下落しない、むしろ上昇しているのである。

 

もはやお祭りムード

韓国国内はもはや北朝鮮との統一で、お祭り的な明るい雰囲気になっている。

統一の喜ばしい効果として徴兵制の廃止がある。いわれてみれば敵がいなくなるので、それはそうである。青年期の2年間の徴兵制がなくなるのは、個人的にも、産業的にも望ましいのである。

大統領である文在寅(ムン・ジェイン)は、もともとは北朝鮮(地域)生れの方で、朝鮮戦争の時に南の韓国に来た。彼は政策としてもともと北朝鮮との親密化の方針を示していた。

ドイツが第2次世界大戦によって分断された国家(民族)の悲願として、30年ほど前再統一したイメージを自らに重ね、朝鮮半島は統一に向かって行く可能性が高い。

これは、途中で米朝の交渉に多少の不調があろうとも、南北ともに大きな流れとして変わらないだろう。それほど南北とも、特に南にメリットが大きいからである。

早ければ今年10~12月ぐらいには、新たな経済圏という形で姿を現してくる。そして、新冷戦も始まる。いうまでもなく、それは日本経済にとっては良い事ではないのだ。