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20年後、気温が2度上昇で日本の「豪雨」は1割増。4度上昇では?

大量のシミュレーションが解明
年々ゲリラ豪雨が増えているのは「気のせい」ではなかった。膨大なコンピュータ・シミュレーションの結果、日本周辺の強い雨の激しさは、2040年には地球温暖化で早くも1割増しになることが判明した──。

気温の上昇がもたらす「本当の脅威」

地球温暖化というと、とかく気温の上昇だけがクローズアップされがちだ。

たしかに「温暖化」はするのだが、その本質は気温上昇ではない。大気中に増える二酸化炭素などの温室効果ガスが、太陽から来る熱の大気へのたまり具合を変え、大気の循環、つまり大気の大規模な流れにも変化が生まれる。

それらの結果として、地上付近では気温が上がって「温暖化」し、雨の降り方も過去から現在、将来へと変わっていく。大気の状態そのものが全体的に変化してしまうのが地球温暖化だ。

気温が上昇して熱波が頻発すれば、世界中で多くの人命が危険にさらされることになる。

地球温暖化でそれに劣らず怖いのは、極端に強い雨や、逆に雨が降らない日照りの期間が増えることだ。

海洋研究開発機構の藤田実季子(みきこ)技術研究員らの研究グループが最近まとめた論文によれば、日本周辺の雨の降り方は、あと20年もすれば、ほぼ確実にこれまでとは変わっている。強い雨の激しさが、これまでに比べて1割増しになるという。

地球温暖化が進むと激しい雨は増え、いま降水量の多い地域ではますます降水が多く、少ない地域ではますます少なくなる──。

「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告書などで、これまでにもそう指摘されてきた。大量のコンピューター・シミュレーションを行った結果をもとにした藤田さんらの論文では、過去に比べて気温が2度、4度上がれば雨の降り方も違ってくることが、より確実な予測として示されている(プレスリリースはこちら

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「たまたま」の出現を調べる

大気はきまぐれだ。1年や2年では日本の気候は変わらない。温帯気候の日本が、ある年だけ熱帯や寒帯の気候になってしまうことはない。

それなのに、年によって猛暑の夏や冷夏が現れ、激しい雨が多い年も少ない年もある。ベースとなる気候が変わらなくても、猛暑や冷夏、日々の激しい天気は「たまたま」出現する。これが大気の特徴だ。

したがって、将来、地球が温暖化して気候が変わったときの天気を予測するには、その状態に置かれた地球で、どんな天気が「たまたま」出現しやすいかを調べなければならない。極端に激しい降雨などが、どれくらい「たまたま」なのか、そして「たまたま」の度合いが現在と変わってくるのかを調べるわけだ。

そのためには、温暖化した状態の地球で何度も繰り返して天気を予測計算し、たとえば100個の地球のうち何個で、どれくらいの激しい雨が記録されるかをみる。それを現在と比べる。もちろん、現在も将来も激しい雨は降るのだが、こうして両者を比べた結果、将来のほうが全体的に激しい雨が増えることがはっきりしたとき、「地球温暖化により激しい雨が増える」という確かな予測が初めて成り立つ。

大量のシミュレーションを必要とするこの研究が、コンピューターの高性能化により、最近、できるようになってきた。