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「本を読む子は成績アップ」を実証…進研ゼミ驚きの読書サービス

「まなびライブラリー」の底力とは?

ベネッセの「進研ゼミ」会員向けストリーミング型電子書籍サービス「まなびライブラリー」をご存知だろうか。

2015年7月にスタートし、現在では出版社9社が児童書を中心に作品を提供する「電子図書館」である。会員は、毎月入れ替わりで電子書籍約1000冊と動画約20本以上が観られ、共同通信が配信する週間ニュースで時事に触れることもできる、というものだ。

約178万人の進研ゼミ受講者(2018年4月時点)が利用でき、ゼミ専用端末「チャレンジタッチ」はもちろん、自宅のパソコン、タブレット、スマートフォンからもアクセス可能。利用率は年々高まっており、現在では登録者約80万人、月間ユーザー数は約35万人にのぼる。

国内企業が運営し、複数の出版社が参加する若年層向けサブスクリプション型電子書籍サービスは他にほとんど例がなく、小中高校生に新たな読書の機会を与えるものとなっている。本稿では「まなびライブラリー」の担当者に取材し、その利用動向から見える、今の子どもたちの読書習慣を解き明かす。

 

「電子図書館」という名前に込めた想い

――まなびライブラリーは、複数の出版社が参画し、民間企業であるベネッセがラインナップを「選書」する、児童向けの「電子図書館」という類例がないサービスですが、いつ頃、どういった経緯で始められたのでしょうか?

五木田隆(ベネッセコーポレーション まなびライブラリー開発室長):開発は2014年からになりますが、始めた背景には、来たる2020年からの教育改革があります。「与えられた問題に、正確に素早く答える」という従来型の学びから、「自ら課題を発見し、解決する」学びに今度こそ本当に変わる――ということが見えてきた。

もちろん進研ゼミはこれからも変わらず授業の予習・復習や定期テスト、受験対策を大切にしていくのですが、教育改革に合わせて、従来からある教材をリニューアルしていくだけでなく、そこに「かけ算」するかたちでさらに何か提供できないか? と全社的に考えたわけです。

子どもたちの知的好奇心を刺激し、幅広い教養を身につけてもらう。その素地を育むためには、やはり読書。そこで「電子図書館を作ろう」ということになりました。

――なぜ「ライブラリー」(図書館)という形式にしたのでしょう?

五木田:まなびライブラリーは、「図書館」とは言っても、ある本を誰かが読んでいる間、他の人が読めないわけではありません。ですから、「それは図書館ではなく(電子書籍)ストアだろう」と思う方もいらっしゃると思います。

しかし、「では書店なのか?」と言うと、それも少し違う。進研ゼミを大きな「学校」とするならば、その中にある、知的好奇心の拠点としての「図書室」、それがまなびライブラリーだ、というのが私たちの考えです。

実際、このサービスはサブスクリプションモデルなので、好きなだけ本を読めるのですが、お子さんが「どの本をどこまで読んだのか」わからなくなってしまわないように「一度に借りられる冊数の上限」(5冊)を「マイボックス」という形で設計しました。

「まなびライブラリー」実際の画面(ベネッセ提供)

もちろん、借りた本を返せばまた借りられる仕組みです。そうした仕掛けも「図書館」らしさにつながっていると思います。

――そのほうが、一冊一冊を大事に読んでくれそうですね。