2011.06.01(Wed) 内藤 忍

「最善を望みながら、最悪を覚悟する」
ストレスに強い賢人の危機管理術に学ぼう

河合薫さん(健康社会学者)に聞く「食とストレス」 Vol.2

筆者プロフィール&コラム概要

内藤: 30年以内に地震が来る確率が30パーセントって言われても、だれでもそんなこと言えるんじゃないの? って思っちゃいます(笑)。

河合: 学者じゃなくても日本の地震の歴史とか見ると、あ、そろそろ来そうだなって思いますよね(笑)。

内藤: 10年以内に99パーセント来ます、くらいに言われれば、そのために備えなければと思いますけど。30年以内に30パーセントの確率で来るって言われても、降水確率40パーセントの時に傘もっていったほうがいいのかな? くらいな感じですよ。

河合: 本当にそうです(笑)。

内藤: 株で言えば。上がるかもしれないけど、下がるかもしれない。これでは何も判断できません。

河合: 確率ってある種の安心材料でしかないんでしょうね。なんの真実を語っているわけではなく。しかも未来を予測すると言いながら、過去のデータに基づいているわけですからね。

内藤: 降水確率が10パーセントっていうのは、万が一、雨が降っても濡れるだけだし、傘を持っていけばなんとかなりますけど、地震が起こる確率が10パーセントって言われても、万が一起きた時のショックがめちゃくちゃ大きいじゃないですか。そうすると、同じ確率でも話が違ってくるんじゃないかと思いますね。

 たとえば、このコップの中に、10パーセントの確率でオシッコが入っています。飲んじゃっても、あ〜当たっちゃったって思うかもしれないけど、この中に10パーセントの確率で青酸カリが入っていますって言われたら、ものすごく怖い。

 そうすると、同じ10パーセントでも地震の場合、万が一それに当たったときに困りますよね。たまに起きますって言われてもどうしようもない。そうすると、コントロールしようがないから、そこから逃げるしかないわけで日本から離れて地震がない国へ行くしか方法はない。

ストレスに強い人の危機管理

河合: パーセンテージの話で言うと、ストレスに強い人って、パーセンテージが低くても悪いことがおきるケースを考えて、危機管理を考えるんです。悪い確率を悪くとるというよりも、ありのままを受け止めるんです。逆に、ストレスに弱い人ほどパーセンテージを安心材料としてだけ受け止めてしまう。

内藤: 逃げてしまうわけですね。

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(ないとう・しのぶ) 株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長。
1986年東京大学経済学部卒業。91年、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。住友信託銀行、シュローダー投信投資顧問株式会社、マネックス証券などを経て2005年11月より現職。「日経マネー」などの雑誌での連載コラムや、テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍。また、早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学をはじめとするマネーセミナーや講演活動も行う。主な著書に10万部を超えるベストセラーとなった『内藤忍の資産設計塾』(自由国民社)シリーズのほか、『60歳までに1億円つくる術』(幻冬舎)『初心者は株を買うな!』(日本経済新聞社)、『内藤忍の「好き」を極める仕事術』(講談社)など多数。


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