2011.06.01(Wed) 内藤 忍

「最善を望みながら、最悪を覚悟する」
ストレスに強い賢人の危機管理術に学ぼう

河合薫さん(健康社会学者)に聞く「食とストレス」 Vol.2

筆者プロフィール&コラム概要

内藤: 優秀で目立つ社員ばかりでは、なりたたないということですね。

河合: 会社が生き残らないと、変わらなくちゃ・・・という意識が強かったりすると、パフォーマンスを良くすることばかりに囚われてしまいますが、変わらないことが、同じことを続けることが、目立たない仕事だけをやることが、いかに難しいかをトップは知ったほうがいい。それがあって変われるんじゃないでしょうか。

内藤: 全員が変わってしまったら、その土台の人たちがめちゃくちゃになってしまうわけですね。

河合: 人がやりたがらない地味な仕事は、けっしてお給料が上がらないだろうし、出世もしないかもしれない、人から褒められることもないかもしれない。だけど真面目に自分のやるべきことをちゃんと見極めて、コツコツやっている人たちに、今こそ向き合うべきなんです。

内藤: 土台を支えている人たちがいたからこそ、今の日本はあるわけですね。

河合: JALにしても開業当初の土台を作った人たちは「初めての便がいよいよ飛ぶぞ」「お客さんがはじめて乗ってくれた!」と情熱をもっていたと思いますよ。でも、会社が大きくなって、ステータスがあがっていくと、、いつの間にか偉くなって、小さな喜びをわすれてしまう。自分のやるべき仕事が何だったのか、どういった志があったのか、わからなくなってきてしまったんだと思うんです。

魔法がとけて見えてきたこと

内藤: なるほど、東電もそうなんでしょうね。

河合: 今の東電の工程表は、政治的見解でつくられたと思うんです。現場の技術力で言うと、「ぜったい安心」なんてありえないと思う。それは現場の技術者が一番よく知っているはずです。政治マターになった途端に、「絶対大丈夫」という言葉を言い出すわけです。

内藤: 原発がある地元に行くと「スナックアトム」っていう飲み屋があったりするわけです。当初、原発は科学技術で明るい21世紀をつくる象徴だったんでしょうね。もちろん原爆の怖いイメージもありますし、反対している人もいただろうけど、一方でものすごい夢の技術というか、火力発電のように煙がモクモクと出て公害になることなく、無尽蔵にエネルギーがとれる技術があるんだと、半分誇らしげに思っていたところもありますよね。

河合: でも、絶対安心なところに何億もお金がもらえるっておかしいと思いませんか?(笑)。

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(ないとう・しのぶ) 株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長。
1986年東京大学経済学部卒業。91年、MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒業(MBA)。住友信託銀行、シュローダー投信投資顧問株式会社、マネックス証券などを経て2005年11月より現職。「日経マネー」などの雑誌での連載コラムや、テレビ、ラジオのコメンテーターとしても活躍。また、早稲田大学オープンカレッジ、丸の内朝大学をはじめとするマネーセミナーや講演活動も行う。主な著書に10万部を超えるベストセラーとなった『内藤忍の資産設計塾』(自由国民社)シリーズのほか、『60歳までに1億円つくる術』(幻冬舎)『初心者は株を買うな!』(日本経済新聞社)、『内藤忍の「好き」を極める仕事術』(講談社)など多数。


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