前澤友作を悩ますZOZO離れのウラで、もうひとつの「意外な真実」

プラットフォームの引力はさらに強まる
鈴木 貴博 プロフィール

秘密の会合

もちろん力のあるメーカーや飲食店などでプラットフォームと決別する企業は出てきますが、多くのプラットフォーム参加企業はそのプラットフォームの顧客引力のせいで離れられないものなのです。

そしてプラットフォームは顧客企業に対して、不満を起こした原因施策について詫びることが通例です。不明を詫びた上で、顧客企業がもっと儲かるような新しい機能やキャンペーンを提示することで顧客を懐柔する。すると顧客企業はさらにプラットフォームから離れることができなくなる。そういった現象が繰り返されます。

三番目に、このような現象を繰り返しながらプラットフォームはその引力をさらに強めていくものです。引力が強くなるにつれて、今よりももっとたくさんの顧客企業がプラットフォームを悪く思うようになっていきます。

 

これはある業界をほぼ完全に支配する状況になったプラットフォーム運営企業から聞いた話ですが、その業界には主だった顧客企業が集まる秘密の会合があるそうです。その会の名前は「プラットフォームのない世界」といって、メンバーが集まってはプラットフォームの悪口を言い合うだけの負け犬の遠吠えのような会が繰り返されているといいます。

〔photo〕iStock

このようにプラットフォームというものは、顧客と軋轢を繰り返しながら、結局はその巨大な集客力を力に業界を支配していくもので、それを壊すことは非常に難しいものなのです。

さてZOZOの場合はというと、もともと顧客企業である大手アパレルが苦手としている受注後の物流ハンドリングに物凄くいい投資をして成長した企業です。ただのプラットフォームではなく、他の競合がマネできない強みを持っている。ここにひとつの優位性があり、ZOZOの崩壊をさらに難しいものにしています。

さらに10代から30代の女性を中心としたカスタマー(消費者)からダントツに支持されている。この強みはなかなか揺らぐことはありません。

ただこれは前澤友作社長のクセだと思うのですが、プラットフォームでありながら、過度に消費者の側の肩を持つ傾向がある。