2019.03.17
# 銀行

みずほ銀行の未来は? サプライズ「巨額損失計上」の全舞台裏

邦銀セクターの魅力を維持できるか
大槻 奈那, マネクリ プロフィール

巨額損失発表の背景

この時期には珍しい巨額損失発表を行った背景には何があったのか。下記に質疑形式でまとめてみた。

〔photo〕gettyimages

ポイント1:なぜこの時期に巨額損失を計上?

みずほは来期から新しい中計を開始する。従来の「3か年計画」よりも長いスパンの計画とする可能性もあり、みずほの経営戦略の節目となりそうだ。

これに際し、収益の見通しを立て、16年導入の新たなカンパニー制に従ってシステムの再評価を行ったところ減損が必要と判断された。

つまり、以前ほど強気で収益を見込めないということと、来期以降の中計期間に償却負担の重圧を持ち越したくない減らしたいという想いによるものと考えられる。

 

ポイント2:来期以降の収益は?

発表当日行われた機関投資家・アナリスト電話会議では、「これまでの課題だった市場部門への依存を改めていく」と説明された。みずほの市場部門は、業務純益の約4割を弾き出す”稼ぎ頭”だが、今後は顧客取引に一層注力するというが、市場でリスクを取らなければ、その分収益が落ちることになる。

これまでの当期利益の目線は、5,500億円程度だったが、この水準は500~1,000億円程度引き下げられても不思議ではない(図表3)。

ポイント3:配当は維持されるのか?

19年3月期の配当予想は、通期7.5円(期末3.75円)で据え置かれた。今回の損失や配当については、当局や監査法人と話し合いのもとで行われたものであろう。

従って、今期分の配当については、予想通りの支払いにまず懸念はない。 しかし、来期の中期経営計画では、この厳しい事業環境で、かつ、運用収益依存からの脱皮を謳っているだけに、配当を維持するには、配当性向の目安を30%から引き上げる必要があると思われる。

幸い、みずほの資本比率は、同社目標の10%(CET1比率)を上回っているとみられるため、配当性向の引き上げはムリ筋ではない。 従って、恐らく来期も7.5円の配当が維持される可能性が高いが、これまでよりは、やはり配当維持の不確実性は若干高まったと思われる。

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