つくばエクスプレス「基地内脱線事故」で生じる安全への懸念

気になる乗車率、遅延…大丈夫か

茨城県つくばみらい市にあるつくばエクスプレスの車両基地内で、2月28日、定期検査中だった電車の安全装置が作動せず、車止めに激突し脱線するという大事故が発生した。

幸いけが人はなかったが、つくばエクスプレスを運営する首都圏新都市鉄道は事故の原因については「調査中」と話し、現在までに詳しい説明を行っていない。しかし社内からは「ついに大きな事故が起きたか……」と危機感を訴える声があがっている。去年8月以降、安全運行が揺らぐおそれがあるトラブルが多発していたからだ。

開業から14年で利用者数を2.5倍に伸ばしている、首都圏の重要路線で起きたトラブルの背景を取材した。

 

一歩間違えば……

「つくばエクスプレス総合基地」で脱線事故が起きたのは2月28日午後4時10分頃。点検をしていた6両編成の電車が本来の場所で停車せず、線路の先端にある車止めにぶつかり、先頭車両の車輪が脱線した。運転などのために乗車していた社員3人にけがはなかった。車両基地での事故だったため幸いにも一般乗客はいなかった。

筆者は3月6日に総合基地を訪れた。広大な面積がある基地の中で、事故現場は「留置17番線」の先端部分。基地の入り口に立つと、脱線した車両がブルーシートがかけられた状態で現場に残されているのを確認できた。

写真の右側に見えるのは、総合管理所の建物。電車が停止している場所から、ほど近いのがわかる。

首都圏新都市鉄道は、車両が「車止めに衝突」して、先頭の車両が脱線したと発表した。よく見てみると、車両の前面が支柱に衝突し、支柱は折れ曲がっている。

隣の車線の車止めの位置から推測すると、車両は車止めに乗り上げているようだ。車止めに乗り上げて傾いたところで、支柱に衝突し停止した可能性がある。

つくばエクスプレスのある社員は、「基地内とはいえ、一歩間違えば大事故につながることろだった」と指摘する。

「車止めは緩衝機能がないタイプで、線路の端と建物との間には防護ネットもありません。支柱に衝突したから停止できたようにも見えます。この支柱がなかったら、車止めを越えて通路に飛び出すだけでなく、社員が勤務している総合管理所の建物に突っ込んでいた可能性があったのではないでしょうか」