孤高の格闘家・青木真也が説く「勝率1%でも勝つ方法」

怖さを克服して「動く」
石川 香苗子 プロフィール

「食えなくなる」なんて思うな

ーー恐怖の最大の根源は「食えなくなること」ではないかと思うんです。だから多くの人は「食えなくなるのは怖いな…」と思って動き出せないし、嫌だなと思う仕事も「食うためには仕方ないから」と続けてしまう。

青木さんのように、フリーランスで活動していると、嫌な人や合わない人から発注が来ても受けなきゃいけないときもあるのではないかと思いますが、「食っていくため」と割り切ることはあるんですか?

青木 一時期は仕事だから、そういう人からも仕事を受けようと思っていたのですが、それだと続かないですね。最近は、あえてあきらめています。

「食っていく」ことを考えると不安でしょうがないとか、この仕事を受けないと次がないってつらくなってしまう人もいると思うんですが、日本にいる限りは大丈夫です。断言します。この国にいる以上、メシは食えます。

例外的状況を除いて、メシが食えないということはない。メシを食っていけるか不安っていう人は、他の国を見ていないからですよ。一度、海外で長期間過ごしたほうがいい。日本で生きていくって、ずいぶんとリスクが低いんだということに気づきますよ。日本って、すばらしいんです。医療も、食も、福祉も。他の国を見ると、まあ大丈夫だよねって思います。

食うために、ではないけれど、フィーリングが合わない人とどうしても仕事をしなければならない時はあります。そのときは、次に繋がらなくてもいいから我慢しようって「がさっとやる」か、付き合わないかどちらかですね。

 

「がさっとやる」というのは、例えばスポンサーさん一つとっても、格闘技の業界は変化が激しいので、「ああ、この人たちはこの先きっといなくなる人なんだろうな」って直感することがあるんです。そういう時は、ちょっと合わないけど大きく「がさっともらっとこう」、それっきりでいいやって割り切ります。

合わない人とすり合わせてうまくやろうとは、まったく思いません。同じ日本語をしゃべっていても、考えが合わないやつとすり合わせていく作業が一番つらい。

僕はよく、いろんなことを「うるせぇ、バカ!」で済ませるんですけど。僕の言う「バカ」っていうのは、頭が悪いということじゃなくて、自分と考えが合わないということ。こいつとはダメだっていうときは、あえてバカ呼ばわりしてしまって、関わらないのが一番いいと思いますね。

この仕事をもう15年くらいやっていますが、最近の僕はそういう考えで仕事をすることが多くなりました。おかげで、おかしな仕事は来なくなりましたね。それが、まさにこの本の中でも言っている「自分のものさし」ということだし、「自分が輝けるリングを探す」ということだと思います。